夜雀から焼き鳥のタレの注文があった。 どうやら隙間妖怪から入れ知恵されたらしい。
夜雀の注文を解読するのはえらく困難だった。 これをつければ肉がとっても美味になる。
なめると甘くてとても美味しいと言われたらしい。
夜雀は最近焼き鳥屋を始めたそうだが、今のところ味が塩味しかない。 といってもこの塩味が曲者で
とてつもなくコストがかかるのだ。 彼女に言わせれば塩の購入で荒利の半分がもっていかれているという。
彼女への納品は完全武装である。 といっても防弾チョッキを着用するとか、首を露出しないとかといったものだ。
外見こそ愛らしい夜雀であるが、非常に危険な存在でしかもそのことに自覚がない。
なにしろ自分の同胞を殺して商売しているのだ。
目的の場所に行くと夜雀がいない。 竹林へ材料を仕入れているので待ってくださいと置手紙がしてあった。
はて、竹林に鳥なんていたっけかなと思ったら本人が獲物を手にぶら下げて帰ってきた。
よく見るとそれは兎である。 なるほど。
江戸時代の風習を色濃く残す幻想郷では、兎は鳥として食べられていたのだ。
ブレザー兎や詐欺師兎の顔が頭に浮かんだが、深く突っ込むと命が危ないので、
瓶詰めのタレの扱い方を説明して帰路に着いた。
その後、爪が長いせいでビンの蓋が開かなくてピーピー泣いているというので
アフターサービスもする羽目になったが、この世の真実を垣間見たような気がした。