ボスが久しぶりに幻想郷へ出張するというので安心しきっていたら、輸送列車にボスの姿を発見して
二倍神経をすり減らすことになった。
どうやら阿礼乙女のところへ碁をやりにいくらしい。 阿礼乙女は歴史書を書く傍ら棋譜の記憶もしているらしく
対戦すると結構いい勝負ができるらしい。
ボスに言わせると、碁とは宇宙をあらわすもので幻想の世界でも通用する数少ないゲームだと言う。
コンピューター相手の碁だとお酒を入れて、さらに置き碁までするボスであるが、
阿礼乙女相手の場合はかなりマジになるようだ。
阿礼乙女もこのときばかりは使用人もシャットアウトして両者かなり必死である。
稗田家宅に到着すると博麗の巫女を発見した。 なにやら阿礼乙女にあれやこれやと注文をつけているらしい。
そんなことをしたところで記録内容が変わるわけでもないのだが、
よく聞くとカッコよくかいてくれとか滅茶苦茶なことを言っている。
硯を下ろそうと荷物を載せた台車に戻ろうとしたその時だった。
背後に気配を感じたのだろう巫女はふっと後ろを振り返った。 そのまましばらくの間硬直する。
ボスは、巫女ににっこり微笑むと「誰かに似ていますか?」と聞いた。
巫女ははっとした表情になるとそのままそそくさと外に出てしまった。
事態が飲み込めずにしばらく反応に困っていると、阿礼乙女が私に相変わらず妙なことを聞いてくる。
「鴉天狗から聞いたのですが、碁を長時間楽しむのにボトラーになればいいというのですが、ボトラーってなんですか?」
ボスが顔を真っ赤にして、私にホットライン用の携帯電話を差し出した。
私は鴉天狗に二度目の電凸を敢行した。