□月 ◎日 No179 博麗神社改装工事事前調査


博麗神社の管理は霊能局とうちの会社が持ち回りで行っている。 
何も知らない大店舗ディベロッパから神社を守る必要があるためだ。 
最近住宅ラッシュにより周辺地域の地価が上がっている。
それに伴い老朽化した神社を放置することは、周辺住民の感情的によろしくないし
下手をすれば取り壊しの論議が立つ可能性もある。
そこで博麗神社の改装工事の話が持ち上がった。 幻想郷の維持のためのシステムであるため
予算はどれほどかかるのか見当がつかない。
うちの会社の職員が現地調査を行ったがその結果は驚愕すべき内容であった。


まず、構造体である。 外見こそ朽ち果てているが、柱は頑強に建物を支えており、
蟻害の痕跡すら見当たらない。 そして、建物の構造を精査すると驚くべきことに
柱だけで建物を支えていない。現代の軸組壁工法に酷似した構造をしている。
明らかにこの建造物は当時のオーバーテクノロジーによって建築された、現代建築と比較しても
決して引けをとらない構造をしていることが明らかになった。
建築にはまず間違いなく妖怪の賢者が関わっているのだろうという結論に至った。


さらに風水に基づいた合理的な設計が行われていることも明らかになった。
これは移築が不可能であることを意味する。 
おそらく結界への影響を鑑みても引き家も不可能であろう。
これは当初から指摘されていたことなので、構造体が未だに無事なことは
幸いであった。


そろそろ起きるであろう隙間妖怪への資料つくりのため、最近ボスは中間管理職狐様の元を
頻繁に訪れている。 狐様は頭の中で建物を建築して物理計算を行い、構造的な弱点を指摘することが
できるらしい。 幻想郷の重要建造物は狐様のチェックを通っているそうで
改めて妖怪の能力の凄さを痛感させられる。