☆月 ◎日 No188 幻想郷よいとこ一度はおいで


幻想郷においては魚を採るだけでもとんでもない手間がかかる。
外の世界では放流の魚が主流のためか人間に対してあまり警戒感を持たないのだが、幻想郷ではほぼすべての魚が
天然ものである。 当然ではあるが、たとえば餌をつまむにしてもこちらにアタリを察知させないような
食べ方をしてくる。 それが彼らの生きる知恵なのだろう。
だが幻想郷では外の世界では考えられないほど美味しいものが食べられる。 調味料などでしつこく味付けしなくても
本当に美味しいものが食べられるのだ。 もちろんその手間は外の世界の何倍にもなる。
ここでは幻想となった自然の食べ物を食すことができるわけだ。 なんという贅沢だろう。


私が最初にびっくりしたのは「シメジ」である。 スーパーで見るシメジは灰色のブナシメジを指すのだが
幻想郷のシメジは茶色をしている。 炭火で焼いて、醤油を垂らしてたべたらとんでもなく美味い。
私があまりに美味いと言っていたら、霧雨のご息女にこれが普通だと言われてしまった。


永遠亭の周囲にある迷いの竹林にある新筍もかなり危険である。
あそこの兎たちは新筍を探すのがとても上手で、姿が見えたら味が落ちる筍を足の感覚で探し出してしまう。
何個か頂いて稗田家で料理をしてもらってご馳走になったら、眼窩に味皇様の姿を見たような気がした。
あまりに美味いので、お土産として持って帰ろうと画策したら、やっぱり途中で没収された。
没収された筍ご飯は職員の胃の中に納まったそうでそれはそれでいいかなと思う。
実は私が危険な目に遭っていながら会社を辞めない理由の少なくても三分の一くらいがこれなのだ。
まさに役得とはこのことである。