□月 ○日  No190 閻魔様の手料理


閻魔様がボスのホームパーティのお礼に手料理をご馳走するらしい。 
ボスの家の厨房を借りてカレーライスを作り始めたが数刻もたたないうちに目に涙をためてもどってきた。
ボスのキッチンの高さは約85センチ 閻魔様の身長は低く、このままではシチュー鍋をもてないのである。
仕方なしにシチュー鍋をコンロまでもっていってやる。
ついでに、背の低さをカバーするための台を置いておいた。


それから数分後 また閻魔様が目に涙をためて戻ってくる。 今度は冴月が行った。
電磁調理器の使い方がわからなかったらしい。 仕方がないといえば仕方がない。
こんなやり取りが続いてもはやどっちが料理をしているのかわからなくなって来た。


ピーラーの使い方がわからないので魂魄が剣術で野菜を切り
火が見えないため火力の調整がわからないらしく、焦げ臭いにおいが家内に漂い始めた。
ボスがだんだん見ていられなくなったのかそわそわしだしている。
よく見てみると、普段は傍らにいる死神娘がいない。 これは罠なのか。
閻魔様がまた涙をためて戻ってきたので今度は朝倉が行った。 
手元に怪しい薬らしきものを持っている。
戻ってきた朝倉の手には薬の姿がない。 まさかまぜたのか。


できたカレーは焦げのため黒かった。 陰鬱な気持ちでみんなで一口食べた。 美味い。
たちまち御代わりの嵐となりあっという間にカレーは底をついた。
さすがに黒くなったじゃがいもは食えなかったので残そうとしたら延々と小言を聞かされる羽目になった。
朝倉がぼそっと私に耳打ちした。 味は変わるけど、成分は変わらないから。


全員がその後腹痛に見舞われた。