○月 ◎日  No193 草葉の陰で


雨の中納品を続けていると偶然、霧雨のご息女が前を通った。
雨の中ご苦労なことだと思いながらそのまま進んでいると、なんと引き返してきたようである。
顔を見てみると、赤い髪の毛のみたこともない人物だった。
私がきょとんとした表情で見ていたら、その女の子は大笑いしだした。
なんと彼女は玄爺だった。 正確には玄爺の端末である。
彼の本体は本社にある。 そもそも玄爺は亀であり、博麗神社に住んでいた霊位の高い存在である。


何をしているのかと聞いたら、妖怪退治のサポートだと言う。
博麗の巫女が妖怪を退治するときに弾幕が彼女の知覚範囲外からやってこないように
見えないところで彼女を守っていたのだ。


一定のルールを守る妖怪たちと違って、妖精達は日ごろ苛められている恨みからか物陰から
博麗の巫女を狙い撃ちしようとする者ががいる。
また、弾幕による戦闘によって巫女たちが怪我をした場合の搬送もやっているらしい。
存在は聞いていたがまさか実際に活動しているのを見るのははじめてである。
これこそが、霧雨のご息女でも妖怪退治ができるタネなのだ。
玄爺は相当多忙らしく、GPS端末を見て、「やばい」とぼやくとそのまま高速でその場を離れてしまった。
その姿を見守った私は日ごろの雑務に忙殺された。