我々は幻想郷での商売を生業としているが、我々でもわからないこともある。
それは隙間妖怪たちの住処である。 基本的に移動しているため完全に位置を特定できたためしはない。
ただ、うちの会社とはホットラインで繋がっているため、衛星を通して大体の位置は知ることが
できるようだ。
いつものように納品活動をしていると、その隙間妖怪の住処にたどり着いてしまった。
思わずカレンダーを見ると、隙間妖怪がそろそろ起きている時期だとわかって陰鬱になった。
このままやり過ごすのも手であるが、発覚すればボスにチクられるのは必至なので
挨拶だけでもしようと中を覗くと、なんと中間管理職狐が隙間妖怪に折檻されていた。
聞くと中間管理職狐がギャンブルに嵌っているらしい。 もっともこの狐はきちんと計算しながら
ギャンブルをしているので概ね負けることはない。
その狐がギャンブルに惹かれるのは、計算外の世界が広がっているかららしい。
だが隙間妖怪が怒っているのはもっと別の理由だったようだ。 眼前に広がっているのは
山のように積みあがった油揚げである。 ギャンブルで勝ったお金が油揚げへと化けていたのだ。
さすがの私も絶句した。
狐様が弁解するように化粧品にも変えたんですよと言う。
差し出した化粧品を見ると「三十歳からの基礎化粧品」と書かれていた。
さすがの私も擁護できなかった。 その部分にペンで印をつけて、すまんと言ってその場を離れた。
よく無事だったものだ。