□月 ●日  No947 お彼岸あれこれ


そろそろうちの会社の実態が見えてきたのかあちこちで昔亡くなった人に会ったという報告を受ける。
そしてすぐに素直に喜べなくなる。
幻想郷のお彼岸。 そこでは亡くなった人に会える。そして色々なことが発覚する。


だんだん冥界の連中に顔が割れると、だいたいこんな話がでる。
「墓参りしてないだろ」といった具合だ。 私自身少し前までは実家に帰って線香を上げるなんて
考えもしなかったのだが、最近では真面目にやって親戚が驚いているようだ。
上級者になると、死んだから時効とばかりに色々なことを教えて貰えるようになる。
親戚同士のトラブルの時は切り札になるから結構洒落にならない。


なにより冥界で噂になったら白玉楼のお嬢様の耳に入ることを忘れてはいけない。
あの柔らかい物腰でさらりと「墓場行ってないでしょ」と言われたらぞくぞくすること請け合いだ。
魂魄はあまり彼女を畏れなくて良いというし朝倉も私が居るから大丈夫だと言うが
生きている者にとっての根源的な恐ろしさを感じるのは私だけであろうか。


久々に姫ちゃんこと閻魔様に会う。
新入社員はこんな可愛らしい閻魔様はないというがこれが現実だ。
もっとも閻魔様と言われている存在はまた結構な人数いるそうである。
イメージに近い者もいるらしい。
電話番号を聞き出そうとしている者もいたがそれはよした方がいいと思う。


その閻魔様、どうやらボスに頼まれて出張してきたようだ。
幻想郷で仕事をするに当たり先祖を大切にするのは必須だと言いたかったらしい。
可愛い閻魔様になら従いますというこまった社員もいるが
彼女に逆らったら碌なことがないことは理解されたい。


お彼岸は続くが、気が抜けない日々はまだまだ続きそうだ。
終わったら休暇を取る予定。