皆様こんにちは。
我々八雲商事日々幻想郷の安全と平和を守るため日夜活動している。
今日は、最新の研究結果を元に疫学防御の最前線について紹介してみるとしよう。
ドキュメンタリー
疫学防御最前線 〜幻想郷の疫学防御を追う〜
紅魔館が幻想郷に出現したとき、うちの会社も霊能局も蜂の巣をつついたような大騒ぎになった。
最初彼らに気づいたのは夢幻館である。 主人である風見幽香は幻想郷中の植物を監視システムとして
利用することが出来、突然の幻想入りに的確に対処することができる。
紅魔館出現から15分後 斥候の天狗が上空から撮影。
屋敷の形状だけでなく、移動した生態系の写真も大量に撮られる。
紅魔館級の巨大建造物の場合、庭には珍しい植物が植えられていることも珍しくない。
それは同時にそれらと共栄する生態系も丸ごと移動することを意味している。
彼らが幻想郷の生態系を乱す場合が多々あるのである。
紅魔館出現から4時間後、対策チームの設営。
リーダーは冬眠中の八雲紫に代わり風見幽香が勤める。
八雲商事から生物学者数十名のチームが顕界より届けられる。
彼らは顕界で研究活動を行う妖怪たちである。
スーパーバイザーとして黒谷ヤマメが招聘される。
黒谷「普段は地下に落とされているというのに何故か、ここに呼び出されてね。
コウモリは狂犬病を媒介することがあるからそれだけ注意すればいいと言ったのだけど。」
霊能局局長 久保田氏はこう語る。
久保田「紅魔館には無数の魔術施設が入っていて、その中に住んでいる生物たちがどれだけの害を及ぼすか
全くの未知数だった。 天狗たちを派遣するにも病気を媒介する可能性があり、接近は困難だった。
黒谷ヤマメを推薦したのは当然の流れだった。」
黒谷ヤマメを招聘するのは色々と問題があったが、当時八雲紫は冬眠状態にあり、状況を理解できない状態だった。
それが今回の件では幸いした。
八雲商事職員「隙間妖怪が眠っていたのはラッキーだったね。 風見女史が仕切るのが面白くなかっただろうし
慎重派だから対策も遅れたんじゃないかな。」
花の種類が一つ一つ割り出されていったがが 特に影響の出そうな植物は来ていなかった。
庭は綺麗に整備されており、雑草の類も少なかった為割り出しは数週間で済んだ。
研究員「ラッキーだよ、あの中華娘に感謝だね」
館内への突入は冴月とスタッフの担当。
交渉は八雲商事営業部のボスが取仕切った。
研究員「メイドは美人だったね、でも綺麗な花には棘があった。」
局地的な戦闘が繰り広げられ調査は遅々として進まず。
図書館の調査で足止めを喰らうことに。
黒谷「あそこにいる魔法使いが咳をしていたから、最初喘息だと気づかなくて大気組成を調べるのに
時間がかかったのね。」
久保田「とにかく、スカーレット姉妹が冴月に懐いたのは嬉しい誤算だった。 彼女が居なかったら
問題は解決しなかったはずだ。」
冴月氏がどのような方法で二人を懐柔したのかは不明だが、
最終的に紅魔館の事前調査が終わったのは一ヶ月も経ってのことだった。
この頃にはスタッフも馴染んで和気藹々とした雰囲気があった。
八雲商事職員「打ち上げではみんなでパーティをやったよ。出てきた料理がまた美味くてね。
まさかここが博麗の巫女に荒らされることになろうとは不思議なものだね。」
風見「いざとなったらヴァンパイアと直接対決も考えたけど、平和的解決ができてなによりでしたね」
こうして紅魔館の調査活動は終わりを告げた。
スタッフは解散し、それぞれの生活を送っている。
我が社は幻想郷の平和のため、日々こうした問題を解決し続けていることを肝に銘じるべきだろう。
皆もこの仕事に誇りをもってこれからの活動に役立てて欲しい。
制作:八雲商事広報部