気のせいだと思いたいが、最近妖怪達の私を見る目が変わっているような気がする。
個人的にはフレンドリーぶりを売りに活動していたのだが、やりにくくて仕方ない。
これまでも妖怪達は私に対してどこか余所余所しい印象はあった。
だが今は違う、妖怪達の表情にはどこか畏怖すら漂う。
はっきり言うが、私は本当に弱い。
一応であるが、私でもスペルカードの編集とデバッグくらいはできる。
もっともスペルカードを実際に使えない私には、朝倉が作った仮想環境と言われるプログラム上の世界で
弾幕を張るのが関の山である。
実際に弾幕を張れば数秒持たずに気を失う自信がある。
その程度の能力しかないのだ。
妖怪の一人になぜ私を避けるのか訪ねた。
すると、あの強大な妖怪である鵺を泣かせたことを鴉天狗がすっぱ抜いたことがわかった。
一般の妖怪にとって鵺はデスマシン妹君に匹敵する危険な妖怪という認識らしい。
私も社員研修の初期段階で紹介された覚えがある。
そんな妖怪がなぜか泣き出したとあって、ちょっとした話題になっているらしい。
誓って言うが、私は彼女に対して特に何もしていない。
可愛い子だとは思ったがそれ以上何かをした覚えはないのだ。
朝倉はこの事態にげらげら笑っている。
鵺の攻略方法はどうも火力ではないらしい。 むしろ火力で斃した博麗の巫女達の方が
凄いと思うのだが、それはあくまで博麗の巫女達だからだという。
私がしたことと言えば、せいぜい彼女の特徴を知的好奇心に任せて根掘り葉掘り聞いただけだ。
わけがわからない。
朝倉は三月精が隙間妖怪に勝利するくらいのイレギュラーと言っていた。
素人がプロに挑んで勝ったようなものだと思えばいいのだろう。
それにしても、鬼にまで持ち上げられるのはどうもいい気がしない。
人の噂も七十五日というのでとりあえず噂が収まるのをただ待つことにしたい。
氷妖精から戦いを挑まれたが、とりあえず土下座回避した。
氷妖精は「あたいが最強」と喜んで帰ったことだけ記しておく。
頭が痛くなってきた。