香霖堂で納品をしていると赤と白のデストロイヤー一行に出くわす。
こういう場合はさっさと裏に逃げるに限る。
幻想郷と顕界を結ぶ境界に住まう博麗の巫女
我々がデストロイヤーと言っている彼女は必要以上とも言える
強大な戦闘力を持っている。
もちろんスペルカードルールによって守られている部分はあるにせよ
多数の人間で対処していた鵺やミシャクジ様に対抗できる時点でで
その能力はチート(ずる)と言っても過言ではない。
朝倉が彼女に対して驚くべき発言を口にしていた。
博麗の巫女は歴史が浅いが故に強いと言うのである。
巫女の重要性が認識されたのは幻想郷と顕界が完全分離したとき
すなわちほんの100年程度前の出来事である。
幻想郷では謂われの力が意味を成すのだが、博麗の巫女の謂われは
1000年生きているヴァンパイア、億単位の年齢のカミ達と比較したら
とてもではないが弱小すぎる。
カミと交流できるというなら顕界の巫女でもできる。
それは自称現人神や浅間が証明してる。
朝倉に言わせれば博麗の巫女は謂われの不足を補うために必要以上に
火力を与えられているという。 そのためか、妖怪退治というあり得ないほどの
危険な任務を課し一種使い捨てのような運用もされる。
月の都で天津神とやり合わせたのもその一環と言えるだろう。
また事故も多い。
外の世界に出てしまってそのまま未帰還となった巫女も非公式ながらいたとか。
博麗の巫女は血筋で決まっているわけではないというのは以前説明した通りだ。
その姿は妖怪と人間によって作られた人工のカミと言えるかも知れない。
とどのつまり触らぬ神に祟りなしというわけだ。
だから私は裏に逃れるわけである。
香霖すまん。