□月 ●日  No1395 霊能局に在籍する妖怪の日記


霊能局に眼鏡の月兎が訪問してきた。
月兎が入ってきて良い場所なのかと身構えていると、
後ろから小兎姫がやってきて、今日からうちの臨時職員だからと告げた。
今回の事件で早速投入されるらしい。


なんでも、このところ女性が乗る乗用車に自分から衝突して事故を起こし
相手を殺害するという事件が起こっているらしい。
それぞれの事件は違う場所違う時間で行われており、最初は別の管轄だということと
犯人も無事ではなく怪我をしていることから事件性はないとされていた。
しかしながら、満月または新月の時のみに起こっていることから
一応の確認をしたところ類似点がごろごろ出てきたようだ。


妖怪と言ってもそれは幻想郷だけの存在ではないことは皆も承知の通りだろう。
今回のケースのように妖怪は都市伝説の振りをして人間の恐怖を煽り
物理的にも精神的にも食べてしまうわけだ。
自分みたいにささやかに油を舐めていれば何も問題はないし食いっぱぐれは無いと
思うのだが、それだけでは満足できないのだろう。


自らはヘリコプターに擬態し櫻崎とメガネを載せておとり捜査に繰り出す。
メガネは早くもでかい獲物を用意していた。 ガウスライフルと呼ばれる代物らしい。
磁力で弾丸を加速、装甲車の装甲を貫く物騒な代物だという。
天狗の情報による出現ポイントに近づいたら今度は乗用車に擬態。
時間は丑三つ時。 相手が出現するまで適当に流しておく。


出現は突然だった。 目の前にハイビームが飛び込むとこちらに突っ込んできた。
勿論避けた。 相手にはタイヤだけが地面を走っているように見えただろう。
胴体は宙を舞った。 まるで黒ひげ危機一髪だ。 
相手の姿を確認するために、パワースライドで急速転回。
すると、ボンネットの上にメガネの姿があった。 なんと素早い動きだ。


ガウスライフル特有のけたたましい音が鳴り響く。 
あのメガネ早くも発砲しやがった。
勿論相手も弾幕で応戦してくる。 間違いなく妖怪の素行であることは
把握できた。 弾幕は悉くメガネに回避される。
その動きはあまりに素早く無数の残像を残していた。


結果的に自ら重機に擬態して相手を捕縛。
櫻崎が本部に作戦成功と告げて取り敢えず問題解決である。
メガネのデビュー戦はかなりインパクトで幕を開けた。