□月 ●日  No1466 猛暑の幻想郷


今年の猛暑のせいか、湖の水位が下がっていると紅美鈴女史から話を聞いた。
現状ではまだ問題にはならないものの、アオコなどが発生することがあれば
妖精達の動きに影響が出るので看過できない問題になっているようである。
地下でも地下水が減っているという話を聞いているので、色々気が重いところだ。


自称現人神に雨乞いをさせれば良いのではないかと言ったらそこまで問題は単純ではないと言われた。
雨乞いも結局は自然のリソースのやりくりとなるので、リソースを無駄に消費すればどこかで
辻褄を合わせないといけないことになるのである。
農業用用水はなんとか持たせることができたのでそれが一番の救いではある。


一方でこの天候を喜んでいるのが紅魔館や夢幻館が管理する農園だ。
今年は特に葡萄の発育がよく上質のワインが手に入るというのである。
最近はメイド長が今年の葡萄を高速熟成させて味をシミュレートする商売を始めており
風見女史も利用しているのだという。 
紅魔館はこれで結構なお金を荒稼ぎしているのだという。


氷妖精の周辺は妖怪達が集まって大変なことになっているようだ。
氷妖精はこの状況でも元気はつらつで一体何処からあのパワーが生まれるのか本気で疑問である。
そういえば、灼熱妖怪相手でも姿を維持できると言うことを聞いたことがある。
たぶん妖精としては規格外の性能なのだと思う。
35度程度の気温では氷妖精に打撃を与えることも出来ないのかも知れない。


水位が下がったせいか、池から生き物を移植する動きも盛んだ。
今日は大ナマズを一次湖に避難する動きがあったらしい。 
鬼娘が水槽ごとナマズを運んでいる様子を見る。 終わった後にかき氷を食べていたようだが、
その氷がお酒とシロップが混ざっているものとわかって色々驚く。


それにしてもこれでも顕界の都市と比べると気温が3度くらい低いのだから恐れ入る。
暑い秋とはそれはそれで大問題だ。 
ほら そこに豊穣のカミが暑さでぐったりしているではないか。