□月 ●日  No1634 改造阿求


阿礼乙女の体力が減らないように運動させたりストレッチさせるのは明羅さんの仕事である。
彼女は所謂トレーナーであり、期限付きの彼女の寿命の中で、ぎりぎりまで執筆活動ができるように
サポートする。 


そこでどうしても思うのが人形遣いのアリスのように端末システム。
寝たきりになっても仕事が出来る仕組みにした方が良いのではないかと朝倉に話をしたのだが、
それはどうしても駄目だと言われた。
概ね次の理由だ。


まず根本的に魔力制御の方が一般人にとってはコストが掛かる。
例えば身体能力を犠牲にして魔力を発動した場合、自分の身体を治す魔術とセットで起動しないと
自分の負担が大きい。 そんなことをするくらいなら素直に自分の身体を強くした方が良い。


写し身で意志だけ別の身体に突っ込む方法も理論上有るが、こちらもメリットが薄い。
別の身体との拒否反応もあるし、物を対象にしたらそこが弱点だと周囲に教えるようなものとなる。
合理性は極めて低いというのである。


正直なところ、ただ単にあまり寿命が増えることをしたら閻魔様の仕事が滞るためというのが
恐らく本音なのかなと思う次第だ。 
そう考えると阿礼乙女も色々面倒なのねと思うのだが、何度もくたばっては回収されるあんたよりは
マシと言われたのは痛かった。