幻想郷の妖怪と付き合うというのはかなり骨が折れることだと常日頃から言っているわけだが
最近は割とまともな連中も現れて、少しだけやりやすくなりつつある。
この幻想郷に居ると基本的にのんびりとした性格になることはよく知られている。
例えば紅魔館にいるメイド長はどうみても幻想郷の気にあてられた一人だ。
もっとも彼女の場合、化け物の中で生活することによって自分を取り戻したとも解釈できそうである。
面倒なのは顕界で能力故に忌み子として放逐されて幻想郷にやってきた人間である。
大体の場合はおのれの力を過信して生き残れないのだが、親が満足に育てられなかったのか
自意識過剰で扱いに困る。
そう言う意味でメイド長はとても幸運だった。
ヴァンパイアの主人は想像以上に人格者であり、彼女を受け入れる受け皿になり得たのである。
さて、最近では命蓮寺が受け皿になろうと頑張っているのだが、これが単純では済まされないので
こちらにヘルプが良く飛んでくる。 これは当然のことで、顕界の価値観でものを考えると
幻想郷の価値観との齟齬が生まれる。 ところがそこから更に古い思考回路の人間と接触すれば
もっと価値観の齟齬が生まれる。 当然至極のことだ。
命蓮寺が崩壊しないで済んでいるのはやはり顕界でも活動している一輪嬢のお陰だろう。
寅さんは割と叱る側についているようだ。もちろん見透かされると危険なので気が抜けないようだ。
大師様は子供については昔も今も変わらないと言っていた。
ただ、違うのは全能感が駆逐されるタイミングが少々遅いということだという。
それは即ち「厨二」というものでしょうかと尋ねると、今はそう言うのですか？と言われた。
もちろん顕界の子供を何でも命蓮寺に依存することは危険なので色々と試みてはいるようだが
中々難しいと言わざるを得ない。 統計によれば幻想郷にやってきた子供のうち生き残る確率は
３割程度と言われている。 それだけ幻想郷は厳しいところなのだと思う。
