□月 ●日  No1691 切り札ならいくつか


幻想郷に物資を運ぶ会社 八雲商事。
そんな会社でも頭を悩ませるのが災害時の対応である。
災害が発生して物資輸送が滞る場合、どうするのかここでちょっとした一例を
書いておくかと思う。


それは比那名居の娘が大暴れしたときの話。線路が一部破損して
輸送能力のかなりが失われた。
しかし、八雲商事では幻想郷に物資を運ぶための幾つかのバイパスを持っている。
列車輸送をやっている理由は、鉄道会社からのお下がりを使える点と
陸上大量輸送ができる点にある。


仮に壊れた場合、幾つかの切り札が用意されている。
一つは物資の一部を弾幕として管理し、持って行ってしまうと言うやり方。
最近のスペルカードは巨大オブジェクトを転送できるようになっており
パレット単位ならカード化して物資輸送できる。
このとき大変なのは術者である。 やっぱり負担は大きい。


そこで、術式を簡略化するためにスペルカード部分に術式を記してしまい
さらにエネルギーの一部をスペルカード内に蓄積する、ストアドプロシージャと
呼ばれる手法が用いられる。これによって術者の負荷を一部スペルカードに
蓄積された魔術で肩代わりすることで問題を解決する。
元々は弾幕の暴走を防ぐための工夫だったが近年蓄積可能なエネルギーが
大容量化しているらしい。


それでも駄目な場合は隙間妖怪に出張ってもらう。
できるだけ大きなケースに品物を突っ込んでそれを丸ごと神隠しに遭わせる。
巨大な面積を丸ごと移動するのは手間が掛かるが、一つのオブジェクトを
転送した方がエネルギー効率が良いからとされる。
質量や体積はあまり関係なく、コンテナを運ぶとするだけで処理が
簡略化されるのだとか。


ちなみにこうした物資輸送はあとでヤマメ女史や里香女史の負担を増やすだけ
なので多用は禁物である。 あくまで緊急避難的なやり方だ。 
その割には何度か発動しているが。それはそれだと思う。