□月 ●日  No1743 華麗なる転身?


人に危害を与える妖怪というのも最近は数が減ってきたというのが最近の印象。
顕界しかり幻想郷しかりである。 大体が妖怪の振りをした人間の犯行というのもあるが
妖怪退治方法が確立していたり、食料確保方法も社会保障の隙間を突いたり、
コンビニのゴミを漁った方が早かったりするかららしい。


そんな折り久々にまともな危害を与える妖怪が出没したというので
朝倉たちがもっているライブカメラを通して皆で見ることに。
何かあったら支援が必要になるのでこれも立派な仕事である。


すると、この妖怪、人の面を身体に纏った面食いと言われる代物。
普通の人間ではこのような相手を退治するのは難しいだろう。
攻撃を加えるとそれぞれの顔が断末魔の叫びをあげるのだ。


こういう妖怪相手には機械的処理が一番らしい。
相手は全く意に介さないことが分かると逃亡しだすが
あっという間に火器と法術やらで封印されてしまった。


ここまでは一般の退治方法である。
ここから先が八雲商事流だ。 こんどはこいつの行き先を決めないといけない。
この妖怪から地霊殿の主人を通してヒアリングすると、自分の姿が気味悪がられて
コミュニケーションできないことが判明。


幻想郷での仕事を考えると、明羅女史が変なアイデアを出した。
たくさんお顔を見ていて、どんな顔が美人か分かるこの妖怪にメイクアーティストの
本を与えると言い出したのである。
確かに、そうすれば自分で新しい顔を自家生産できるので人間を襲う必要はない。
妖怪も手を叩いて喜んだ。


かくしてこの妖怪、朝倉の改造にも携わる名メイクアーティストになったが
問題は体中にまとった顔が全部メイクされていてそれはそれでアレだったということだ。
明羅女史が言いたいことはわかったが、客がその顔から好みの化粧を選択して
注文している光景はいささかシュールである。