幻想郷のエンジニアである河童たち。
彼女をエンジニアたらしめたのはいったい何だろうか。
時は明治時代。文明開化の名の下に数々の自然現象に定義がなされた時代。
妖怪たちは自分たちが危険な状態にあると確信していた。
回転式連発銃は火力の面でも妖怪たちと充分渡り合えるものとなり
いざとなったら闘えばよいという妖怪たちの基本的生き残り戦略すら崩壊しつつあった。
博麗大結界を作る計画は一回二回の話ではない。
食糧難からこの土地を大きな戦乱が襲ったときも博麗大結界を作る計画は持ち上がっては
消えていた。兵隊が移動する際、妖怪だろうが村だろうが搾取しながら進んでいたからだ。
妖怪たちは辟易していた。
しかし、妖怪たちは結局結界を作るには至らなかった。
どうしても干上がってしまうからだ。自分たちの隠れ里をつくったとしても
数年経てば備蓄していた物資など底を尽きてしまう。
博麗大結界を外の世界と分離する際、最大のネックとなったもの。
それは物資をどうやって大量に安全にこの地へ運び込むかということである。
当時、大量輸送手段としては船があったが、便利な場所は人間たちに掌握されており
とても妖怪たちが利用できるような状態ではなかった。
妖怪の力を使う手段も一応はあった。しかし、それは幻想郷の命運を特定の妖怪に
握らせることに他ならず、そんな脆いシステムは数百年の寿命を持つ妖怪にとっては
到底承服できる代物ではなかった。
博麗大結界ができたのは、文明開化のせいというよりは陸路で大量輸送ができる
手段ができたからに他ならないのである。
線路は大量輸送できるだけではなく、破壊困難という隠されたメリットもある。
一度きちんと構築すれば破壊されても速やかに復旧できる。
河童がエンジニアになったのもちょうどのこの時期である。
比較的信用に足る種族でそこそこ以上に手先が器用である。
かくして、彼らは研修の名の下に様々な科学技術を手に入れることになった。
そして
今じゃこんな状態だ。
てめえら、NTRもののスマートフォンゲーなんか作ってるんじゃねえ。