□月 ●日  No1817 すごく・・・大きいです


八雲商事の妖怪事例報告。顕界の妖怪はそれぞれの環境に合わせて独自の進化をしている者も
少なくない。金融面で大成功した妖怪もいれば、霊能局にいる草蓮と名乗る妖怪のように
乗用車などに擬態してガソリンを食べて生活する存在などもいる。


そんな中、会社の研修会にて超大型妖怪の事例が紹介された。
これまでも建造物型妖怪が紹介されて始末の悪い存在だったが、この妖怪の場合はどちらかというと
正義の妖怪として神格化されているだけ始末が悪かった。


巨大な図体は当然巨大なエネルギーを消費する。この妖怪はというと数十人の人間を
一度に捕食して回っていたというのだから驚きだ。
この妖怪が擬態するのはなんと村である。
そして、この妖怪が捕食するのは盗賊団だったり軍隊だったりする。 集落で略奪行為を
行う奴らに正義の鉄槌を加える。


この妖怪に我々は英雄(ヒーロー)と名付けた。
なぜならこの妖怪は自分たちが攻撃していることを察知されないようにワンマンアーミーを一人
配置してそいつに人間を殺させていたのだ。
霊能局が手を焼いたのは、盗賊団や軍隊がおいていった武器のたぐいは消化しないで
ご丁寧にメンテナンスまでしておいてあり、それらを使って抵抗していたからである。


本隊は村そのものに擬態しており多少の焼き討ちなどを食らってもべつに打撃を与えることは
できない。直接手を下すワンマンアーミーはいくら銃撃を加えても倒すことはできない。
狙撃しても立ち上がり、兵隊達を恐慌状態に陥れる。
当然恐慌状態もまたこの妖怪にとっての餌であり、彼らはなぶり殺しに遭うのだ。


さて、この妖怪どのように退治したのか。 正確には退治したのではない。
この妖怪、善良な人が住んでいると社会的サービスを行って、それがもたらすエネルギーも
自分が生きる糧にしていることが分かったため、幻想郷に招聘したのだが


しかし、やってきて3日後 博麗の巫女の無差別攻撃の被害に遭いすっかり怖じ気づいてしまい
今では人畜無害になってしまったとのこと。
この妖怪に話を聞いたら「ヤツは悪魔だ」と言うではないか。
気持ちは分かるよく分かる。


というわけで、幻想郷の集落の中にはそういうところもあるので注意されたい。
たまに軍隊丸ごと幻想郷にやってきてそのまま行方不明になるときがあるが
まあ、そういうことである。