自称現人神の家に定期的な水質検査のため、ボトルに水を溜めてくる。
妖精達は大丈夫だと言うが、これも仕事なのである。
ついでに、給湯器具のストレーナーを掃除して目詰まりを防いでおく。
定期的に誰かがやっているのだろう。驚くほどきれいだった。
幻想郷で水を手に入れるのは簡単なようで簡単ではない。
井戸水は顕界同様に定期的な水質検査が必要であり、下手に飲めば
よくて腹痛、下手すればあの世へ直行できる、
八雲商事社員には納品システム用のスペースの中に
6日分 すなわち 2リットルのボトル6本が備わっている。
万が一水が補充できない場合はこの水に手を付けることになる。
だが、実際には極力利用しないのが望ましい。あくまで緊急用であり
本当の最終手段で使わないと酷い目に遭うからだ。
とはいえ幻想郷においては、水の安全性を調べる方法は意外と簡単だ。
水にまつわる妖怪や妖精に尋ねて飲めるか尋ねるのである。ある程度彼らと関係性を
築いているからこそできる手段であるが、一番有効だ。
大技もある。妖精を買収して毒味させてしまうのだ。妖精に与えるものがあるのなら
そちらの方が有効だ。飲んでそのまま消滅しても数分ほどで復活するので安心だ。
ただし、ここにも盲点がある。 この手の水は飲んでも「直ちに影響がない」水だ。
妖怪と人間ではその辺の考え方が違う。
鉱毒が多少はいっていても飲み続けなければ大丈夫な水なら妖怪はOKと言うだろう。
だから最終的には水質検査が必用となる。
水質検査はというと、顕界の保健所に持って行って正攻法で行う。
第三者視点というものだ。ここでOKがでれば特に問題はない。
菌類などが出たら除菌機を設置し、ゴミがあるようなら砂こし機をつければいい。
というわけで自称現人神の家は特に問題ないことが判明した。
まあ、いつもなんか遭ったら困るのだが。