□月 ●日  No1939 多々良小傘の大勝利


多々良小傘の話。次世代をになう妖怪だかなんだか知らないが、彼女が新しい人を驚かせる
手段を発見したというので一目見に行くことにする。
それは新手の嫌がらせかと言われたが無視。


なんでも自分の傘を河城河童に改造して貰ったとのこと。何かが飛び出すとかギミックがあるのかと
思って駄目なら馬鹿にしようと考えていた。
期待の斜め上だった。 なんとクリスマスツリーが動いている。 不覚にもびっくりした。
悔しい。 壮大に悔しい。


クリスマスは先日に終わったとはいえ、街には煌びやかな電飾が踊っている外の世界だが
まさに外の世界そのものの電飾がそこにあった。
電飾に妖怪達も寄ってきて、みんな一様にびっくりしている。
びっくりのベクトルが明らかに違うが、たぶんそれでもいいのだろう。本人は満足げだ。


傘には風力発電のためだろう。プロペラが回っている。
空を飛ぶと傘のプロペラが回転。電飾が光る仕組みである。
よくよくみてみると電飾はなんとLED系電球だった。本来なら幻想郷に入ってはいけない
ものだと思うのだが、今年のクリスマスのあまりものという名目で幻想入りさせたらしい。
だからクリスマス後の電飾というわけだ。


この電飾、特に自称現人神にはとても受けたらしい。
外の世界を思い出すものとしてはとても良い物なのだろう。
少なくてもおなかがすいたと思わなくなっただけ大勝利だ。


それにしても光る物体が空を飛ぶのはなんともシュールな光景である。
本人は大満足だから問題ないのだろうけど、この電飾。
光るためには飛び続けなければならず どう考えても寒いだろうなと思う次第である。
うーむー。