□月 ●日  No2203 Man after Man


未来の人類の話をしたとき、それは異形の姿になるのではないかという話がある。
実際にそうなるかについては大いに疑問だという話になった。
実際のところ人間の姿なんて自然界ではハンディキャップにしかならない。


人間の姿は果てしなく燃費が悪いというのが妖怪たちの言葉である。
脳みそが大きいので必要となる栄養は多いし、そもそも二足歩行なんて不十分な高速移動しかできない
哺乳動物にとってはハンディキャップでしかない。
高速移動には対応した体のつくりか、呼吸システムのどちらかが必要だ。それができて初めて
可能となる仕組みである。


それでも妖怪が人間の姿をする理由は弱者故にもつある機能のためだ。
それは蓄積可能な知恵である。つまり人類が得た進化というのは高度に蓄積可能な知恵であり、
それはもう一つの進化だと言われている。
基本そうでなければ、妖怪たちがわざわざ弱者である人間に変えるメリットはゼロである。


服を着ないと寒くていられない。
すぐにお腹は空く。
早く移動できない。
牙もなければ武器もない。


そんな脆弱な生き物が仮に海だろうが生活可能になったところで
あっという間に絶滅するのが落ちだ。 命を狙われ続けたから人類は知恵を得たのだと妖怪たちは言う。


結局のところ、人間が異形の姿になってまで生き延びるとしたらそれは
文明を伴ってということになるだろう。色々迷惑な話である。
妖怪はあわせて姿を変えるまでというわけだ。



     
     


実は三馬鹿から見れば我々の姿はすでに異形と言える。