□月 ●日  No2251 物資供給の顕界


幻想郷で自給できる物資というのは想像以上に限られていまして、例えば顕界でもちょっと場所が変わるだけで
特産品も変わるわけであります。幻想郷に顕界と同じような物資供給を行いつつも、内部で完結しようと試みた場合
その世界は我々が住む顕界と同等の広さが必要となります。


そんなわけで顕界から幻想郷に物資を運ぶと言う話になるのですが、実のところ無制限にとはいきません。
予算的制約もあるのですが、顕界の物資とて無限大ではないのです。
たとえば幻想郷に行ってしまったレアアースや金属類をある程度顕界に還元できないかという話も出ています。
試算したら思いのほか総量が少なかったので敢え無く没になった企画です。


よく物資が足りなくなったら、顕界からかすめ取ればいいという意見が散見されますが
はっきり言ってそれは困難です。特に問題となるのが物資のパラダイムシフトです。
しかもパラダイムシフトにはパラダイムシフトの情報が幻想郷にたどりつかないといけないのです。
そうしなければいつまでも古い商品を欲しがると言う事象が発生します。
すると今度は骨董品の扱いとなり、導入コストは爆発的に増大するのです。


この事実が幻想郷にほぼ強制的な変化圧をもたらすことになります。
いつまでも同じ状態にあるというモラトリアムの世界を幻想郷に再現するのは実質不可能です。
どんな状況にあっても結局進むしかないというのはある意味残酷なことのように思えてなりません。