□月 ●日  No2267 頭痛薬も連続で呑むと危ない


師走がやってきて猛烈な寒気と暗くなる秋姉妹を目撃しながら、巷では解読屋が何かトラブルを起こしたとか
解読屋が周辺住民巻き込んで妖怪退治したとか、糞すぎる話ばかりが舞い込んでいますがいかがお過ごしでしょうか。
うちの会社でもノロウイルスが流行っているとのことで、薬屋に依頼したらなんとやってきたのは毒薬人形
メディスン・メランコリーでありまして、まあ言わんとしていることはわかりますが少し酷い気がする。
彼女としてもメンテナンス費用を稼ぐためにこの仕事をしているのでお互い納得づくではあるのだが
それでもちょっとひどいと思う。


さて、薬屋の話をしよう。 薬屋がここで商売できるのは間違いなく我々のお蔭であると言ってよい。
いや、これは我々の許可とかではなくて、もっとどうしようもない理由によるものだ。
実は薬屋はこれまでも旅人のために薬を処方することがあった。しかし、それらは殆ど効きすぎてしまうため
数日間は入院が必要というおまぬけな話が多かったのである。


そこに我々がやってきたことで事態は変わった。
少なくても顕界からやってきた我々は月面人ほどではないとはいえ薬が効きにくいのである。
ここでようやく薬屋は処方すべき薬の量に誤りがあることに気付いた。 彼女も無数のサンプルがあれば
気付いたのだろうが、数が少ない状態ではそれは個人差にも見受けられたからだ。


我々が送り届ける薬の量の対照表を見てようやく薬屋は幻想郷住民に合う薬の量に気付いたというわけだ。
それでも幻想郷の多くの住民は薬の何たるかを知らないことが多く、これが事態を面倒にしていたようである。
顕界の薬と月面の薬の対応はそれなりの期間を要したが、これはこれで結構なノウハウになった次第である。


お蔭で薬屋はようやく外貨を稼ぐことが出来るようになった次第だが、その前はどうしていたのかというと
口をつぐんでいる。まあ話を聞く必要はたぶんないと思う。
なんだかんだ言って詐欺師兎たちがなんとかしているような気がする。