□月 ●日  No4402 技術戦争


 ここ最近は香霖堂に送るはずのやばいアイテムのいくつかを
 人間が管理するようになっているらしい。
 本人はやばいものを扱わないで済むと喜んでいるがこっちとしては
 厄介な商売敵である。 とはいえ彼らの気持ちもよくわかる。
 
 
 月面人との融和以降は人間側も月面人のテクノロジーを手に入れるという
 名目で幻想の品物を管理しだした。
 そりゃそうだ。下手すりゃ一企業が技術を独占することになるから
 目鼻の効く大企業が管理会社のスポンサーになるのが自然の流れである。
 こっちとしては放置している。 コスト削減になるし。
 別に困らない。なぜなら本当に月面由来なアイテムはそのうちの
 1割もなく、おまけに危険極まりない代物だからだ。


 こっちとしては命の危険をあっちが受け持ってくれるし
 技術蓄積はありがたい話でもある。
 

 まあ事故ってこっちに助けてくれーっていうのが最近の展開であり
 魂魄なんかは先日は南米に飛んでいた。
 冴月はデモやってる国にいってるのもそういうことだ。
 本当に面倒になったのである。