■月 ●日 No4876
中有の道を移動していると霊能局の連中に出くわす場合がある。
こいつらの大半はアバターと呼ばれており、サイコメトラーが
しばしば行使している。こいつらの目的は犯罪捜査であり、
死人に口なし案件でもこいつである程度は追跡できるわけだ。
ただし彼らの活動は物証にはならないし、その点は彼らも大いに
理解しているのである。
当然彼らとはしばしば接触する機会もあり、見つかると世話話が始まる。
あいつら、こっちの端末に勝手にたくさんの手配書を送り付けてくる
時がある。こいつを見つけたら通報してほしいとか、場合によっては
足止めを要求されるときもある。死にたてほやほやなら彼らを足止めするのは
比較的たやすい任務であるが、だいたい霊能局から手配書が来るような奴は
それなりの人なので、代わりに説明する役がこっちになる場合がある。
おかげで死神代行とか死神よりよっぽど死神らしいと言われて複雑な気分になる。
曰く定年後の仕事は決まりだなとか。ふざけんな。
ちなみに霊能局の奴ら阿礼乙女にも手配書を送り付けるのは勘弁してほしい。
曰く我々よりも犯罪者を見つけることが得意なんだとか。あーそうですかと。
こいつで結構霊能局に便宜を図ってもらい、資金面でも潤沢に活動できるのだ。
いいというべきなのだろうか。