■月 ●日  No4879

 黄昏酒場で異変が発生している聞いたワシは、さっそく異変の現場である
 甘粕の店に赴いた。そこでは客がごったかえす店の姿だった。
 もちろん奴らは人間ではない。みんなそれぞれ妖怪変化の類だが、
 人間の姿をするものばかりである。
 
 人間用の酒は人間の姿で飲んだ方が味を楽しむことが出来るからだ。
 だから味覚器官の完全な再現は彼らにとって必須要件である。
 さらに彼らはアルコールによる解毒システムにも制限を加えている。
 これにより、彼らも人間と同様に酔うことが可能となっている。
 
 ボスが彼らの様子を見に行ってやってくれと依頼したので
 今回は仕事の一環でここにやってきている。できれば積もる話をしたいが
 どう見てもそんな場合ではない。
 そして厄介なのは酔っ払い同士の争いごとだが、それを仲裁しているのが
 浅間である。彼女の動きをみて「まさかハクレイか」って青ざめる
 連中の姿が微笑ましい。

 もちろん浅間はハクレイではない。いや候補だったというべきだろう。
 数いるスペアの人だ。だが順位は低いはずだ。
 よく見るとこいつ顔が少し赤い。雅か店の物を呑んで じゃなかった。
 熱出てるぞこいつ。

 しかし、周りの妖怪変化気にもとめない。
 呆れたので彼女を回収して、幻想郷に向かう。目的地は社内ではなく
 過去の一件以降腐れ縁となっている八意氏である。
 彼女なら何とかしてくれるだろう。
 
 というか甘粕よ。もしも彼女から病気が感染したらどうするつもりなのだ。
 まあ、奴の能力をしれば感染することは多分なさそうであるが。