■月 ●日  No4998

 幻想郷は時の流れが遅いというのが我々の間で共通認識である。
 これは幻想郷が特別の力でどうこうってわけではない。
 単純に世間の動きが遅いのである。情報伝達速度も然り、
 様々なこと、たとえば技術の進歩などもそうだ。
 ここで顕界と幻想郷でかなりのギャップが生まれている。
 商品取り扱いがどうしても同じものを取り扱いできないのだ。
 特に顕界で異変が発生すると、色々なものがパラダイムシフトしてしまう。

 こうなってくると幻想郷での自給率をあげてほしいのだが
 これがなかなかうまくいかない。
 そりゃそうだ。まず、顕界はグローバルの世界であり
 幻想郷とは層が違う。確かに幻想郷には魔術とか妖怪とかがいて
 別の知見が利用できるが、そういった技術を解析して
 民生化する速度も比べ物にならない。
 
 うちの会社で機材等の更新があると、どうしても現地の人に白い目で
 見られてしまう。いくら電池などが損耗しているとしても
 まだ動くものを変えるのは何事かとなる。
 変化はしているのだが、変化速度が遅いのだ。

 こういうギャップがあるため、最近の問題は幻想郷に一度は
 入ったものの顕界に戻ろうとする妖怪がしばしば現れている
 という事実だ。もちろん取り締まりはしているのだが、
 昔と違って妖怪たちの意思が絡んでいるので対応が困難だ。
 そこにさらに第三勢力などがかかわってきて収拾がつかないというのが
 最近の傾向なのである。