■月 ●日  No5001


 なんでもないようなことが幸せである。
 つまりはそういうことだ。 
 八雲商事社員と言えど顕界では普通の人だ。
 そこで事故が起こったり、身に何かが起これば幻想郷の時と違って
 取り返しがつかないのである。少なくてもそう理解していた。
 つまり、何かしらのトリガーで強制移動させられてもそれは生物学的に死んで
 移動したのではなく眠らされて移動していたと理解していた。

 つまりそういうことだ。
 私は顕界で倒れた。理由については所謂交通事故だ。
 なにもおかしなところなんてない。
 死亡確認されて医者に診断書を書かれるレベルである。
 だが、自分はここにいる。
 おいおい、私は死ぬことすら許されなくなったのか?
 最後に残った人間の尊厳も吹き飛んだのか?

 まあ、オチはあるのですよ。

 つまりですな。幻想郷の敵対勢力に攻撃された場合は
 コンティニューOKになったってことですよ。
 そういえば幻想郷内部も顕界も妙にきな臭いんですわ。
 先日もそうだ、アーキテクトに攻撃を仕掛けられたってのがあったわけよ。
 よりによって襲撃者はハクレイの巫女であり、あの魔術師だったのだよ。
 そりゃ我々も大混乱ですよ。
 
 誰がけしかけたのか、誰がしかけたのか 犯人捜しでそりゃ大変だったさ。
 そう、みんなも知っても通り、既に幻想世界と顕界の垣根はかなりあいまいになっているのだよ。 

 助けて隙間妖怪。