■月 ●日  No5039

 岡崎夢美の朝は早い。
 同居している北白河ちゆりよりも早い。
 それもこれも岡崎が弁当に目覚めたためだ。
 前日から仕込んでいた材料を元に料理をタッパーに詰めていく。
 幾つかの料理は冷凍庫に詰め込んでいく。

 これは出張がおおい岡崎たちが、いざとなったら
 簡単に弁当が作れるようにと用意したものだ。
 ご飯も冷凍になっており、弁当に入れるときは冷凍ご飯を
 レンジでチンするのが日課であった。
 
 ただし副作用もある。
 「また買ったのか、ご主人。」
 北白河の目の前には三代目となる冷凍庫とこれまた3台のレンジであった。
 コンロ類は流石に増設していないがこれはやりすぎだ。
 もちろん理由もある。幻想郷で勤務しても彼女の弁当は変わらない。
 しかし顕界の料理を持ち出すのは困難だ。
 ゆえに彼女が出した結論は、自分の料理を片っ端から
 冷凍食品化してプールし、持ち出すというものだった。

 この日も冷凍庫を一基、丸ごとスペカに放り込む術式を
 別部屋で行っていた。電力は電池に蓄電し、 
 魔術は人間を介さないバッチファイルで行う。
 変なものがはいらないようにきちんと蓋が閉められ
 処理がなされていく。

 すべては弁当のために。

 このせいで食費は若干減ったという。
 一応買うよりは安いらしい。岡崎曰く冷凍庫はリサイクルショップで
 安く買ったから問題ないというが、最早何も言うまいと
 嘆息するだけであった。

 実際美味しいし。