■月 ●日 No5076
八雲商事の社員は怪異に対して異常な程に鈍感になっています。
たとえば、不定形の触手と目玉が付いた肉の塊が現れても、「あの触手食えるのか」って
思ってしまうくらいにはアレです。
ちなみにそのような感想を用いたのは浅間さんと宇佐美さんです。
つまみにあいそうって思っていたそうで、肉の塊が察したのか恐慌状態になっていたと
いう話です。あの肉の塊には本気で同情したくなりました。
彼ら一応知性があるようで、いきなりファーストインプレッションがそれだったとのこと。
タコに似ていなくもないので茹でれば食えると思われたとのこと。
私は、彼らに一応人間の姿に擬態すれば安全と伝えました。
彼らは八雲商事の人間に害を与えることはないのでしょうか。
答えは害を与えたら彼らが恐慌状態になったが正解です。
食べられたのは例によって彼だったそうですが
数日後に何食わぬ顔で再会して、しかもその時のやりとりも
覚えているとあって、恐怖を感じたそうです。人間も襲わなくなりました。
まあ殺処分されかけたとか、鉛球を大量に喰らったとか酷い目に遭ったそうだから
同情したくなります。
八雲商事の某社員ですか?まあ大丈夫でしょう。
むしろ彼らの優秀な擬態能力はそのまま研究対象になり
特に朝倉理香子さんに思いっきり解析されたそうです。
彼らの能力により彼女のコスプレ魔術が完成したと思うと
なんて余計なことをしたんだと思うしかありません。
もっとも彼らは「仕方なかったんだ」と本気で謝っていることを
ここに記して終わります。