■月 ●日  No5111

 さて、回復魔法のリスクをご理解の上で薬屋の話をしよう。
 はっきり言って彼女のやることというのはもうちょっと先を行った
 所謂原状復帰である。というか原状復帰以上のことをすると
 ろくなことがないって話である。薬で何とかしているが
 まあやっていることは物理で治療するってやつで、あくまで
 病巣の排除と原状復帰しか行わないというか、それ以上のことを
 やったら朝倉のあのケースになる。

 というわけでですね、薬屋が幻想郷で受け入れてもらうためには
 わが社が全面的にバックアップをしたって話をしないといけない。
 もちろん我々としては月面の技術を学ぶいい機会だったし
 博麗の巫女に出会うための異変まで起こす結果になってというか
 結果的にそうなったというか。本件はインシデントIA-2032として
 残っているが、それは置いておいて。

 とにかく薬屋の薬が効果があるってことを証明するのは
 すっごい大変だ。なにしろ薬は毒でもあるから副作用で
 健康を害したら一発アウトである。そもそも薬は診察と検査が
 必要で、そいつをどうするのって問題もあるわけで。

 まあどうしたかって、実験台になったわけですね我々が。
 (遠い目)
 確かに体は調子よくなったんですけどね、なんか魔改造されたみたいで
 とっても怖いんですよね。
 ああ、もちろん幻想郷では言えませんマジで。