■月 ●日  No5206 

 あー君たちですか、北白河さんを攫おうとした人は。
 突然ですがあなたたちは死にました。まあついてないですね。
 彼女はまあ無事ですよ。キルゾーンに誘い込まれたあなたたちは運がないですね。
 今は返り血を浴びてシャワーで流しているところでしょう。
 「一張羅がだめになった訴訟」って言ってますがね。

 あっご納得いただけない。
 ではこちらの眼鏡をかけてください。それが今のあなたたちの状況です。
 えっ、よくできたCGですか? CGだったらいいですね。
 でも今なら出血大サービス、生き返すこともやぶさかじゃないそうですよ。
 ああ、でも力づくはだめですよ。一応あなたたちの武装は解除しております。
 手元にある古銭は大事にご利用ください。

 ああ、私はですね、死神じゃないんです。北白河さんの同僚です。
 ああ、違うって どうして自分がここにいる?
 そうですね。ほら北白河さんって結構色々なところにコネがあるんですよ。
 隣国の国家元首とか。でほらあそこって、よくうちの国の海域に色々撃ちこんでいる
 ってことになってるじゃないですか。まあその弾ってよく行方不明になるんですけど。
 その流れ弾が、運悪く届いちゃったんですね。
 
 えっ距離があってない?そうですね、そもそも発射してないから距離なんてあってないです。
 ほら、お隣さんってお金ないじゃないですか。だからですね。
 えっ、答えになってない。
 そうですか、それならいいです。で出血大サービスですが今なら復活可能です。
 えっ?自分は五体満足で生きているじゃないかって? まあここ死後の世界ですし。
 帰るならここからどうぞ。こちらにある契約書にサインをいただければOKです。

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 というかですね、いくら北白河を襲ったからって、五体満足じゃない状態で復活させて
 データだけ抜いていくのってヒトとしてどうかと、ああ、月面人だから人じゃないか。
 それなら仕方ない。

 

 



 

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