■月 ●日 No5831
みんなおばんや、まな板や。
今回は霊能局の連中がなぜ警察の権限を持っているのかの話をするで。
そもそも論だけど、うちらの世界で妖怪が変に人間を害するムーブをすると
ほぼ確実に退治という名の抹殺になるで。妖怪は多くの場合人間よりも寿命が多いから
有期刑がほとんど意味がないんや。最悪拘束中に意味が変わってしまって
さらに手を付けられないようになる場合だってあるで。
それでさらに言うと、もっともっと退治に金がかかるんや。
だからうちの連中ってほぼ戦闘集団や。
やばいやつの集まりと言っても過言じゃないで。これはあの"ひらのん"もや。
それで問題となるのが、妖怪が自分の身を守るために人間の姿になることや。
人間の姿になるなんて普通に考えれば不合理の塊なんやが、現代では
あまりに便利なインフラを使うには人間の姿をした方がいいっていうのが
コンセンサスになってるで。
問題その1は、こいつらが犯罪を起こした場合や。
きちんと表向きの戸籍も持って、表向きの税金も払っていて
身分証明すらある奴を誰が人間と妖怪とで分けるんやって話や。
だけどもっと厄介な問題その2があるんや。
それが妖怪が犯罪に巻き込まれたら誰が助けるか問題や。
現代の妖怪といっても犯罪組織に絡みとられる奴が後を絶たなくてな。
人間に害を与える妖怪いるなと思って捜査したら
ケツもちがいましたってことが多いんや。そうなるとな。
流れで逮捕しないとならんのや。だから警察権限があるんやで。
ただ特捜とはちょっと違ってな。アレがある場合は政治家案件になるんや。