■月 ●日  No6365

 まな板や。今回も実質火力演習の話をするで。というのも今回は相当人数のお偉いさんが
 参加していたんや。マルハチと呼ばれる八雲商事の連中が数人参加していたんや。
 素人みたいな娘を投入しているから実態は明羅さんだけが実質戦力だと思っていたんやが
 今回のお目当ては明羅さんの姿よりも寧ろ、岡崎教授の弟子が数人投入されたことに
 起因するんや。彼女の弟子と呼ばれる秘封倶楽部の予算は年々増加傾向や。
 あげく防衛予算まで繰り入れてえらいことになってるで。

 とにかく秘封倶楽部の魔術はかなり危険や。物資輸送に革命が起こるとかじゃなくてな
 うまく使えばこれまでの密輸手段が一気に増えかねんってことや。
 ただ、今回の訓練でわかったんやが、意外と簡単に内容物を確認することが出来ることも
 確認できたんや。つまり、みんなが思っている以上に脅威ではなかった。
 既存のセンサー類を使って訓練すれば簡単に問題は解決できるってことや。

 そしてなにより、魔術をこの世界で使うには外部でコントロールが常時必要だとも
 わかったんや。つまり、術者はマーカーであり、物資着弾のための位置取りにしか
 必要ないんや。もちろん自前で取り寄せできるやつもおるが、それはもはや人間じゃないんや。
 今回の件でだいぶみんなの懸念は晴れるんじゃないかと思うで。