■月 ●日 No6369
八雲商事には米帝に詳しい特派員がいまして、この方がつい先日うちの国に
戻ってきました。たぶんそのまま永住するかもしれないって話になっています。
なんでも都市部の妖怪の動態が変わっているとのことで従来型の妖怪退治をしている人も
違う商売に鞍替えしたり、新しいタイプの妖怪に対応しないとならないという話でした。
まず人間の生活状態が確実に崩壊しています。当時の妖怪たちは都市部のインフラに合わせて
悪戯をするなどの活動をしていたのですが、現代では人間が引き起こす被害の方が増えており
いたずらする先となる実店舗群のほとんどが閉店、シャッター街になってしまっています。
これはつまるところ、一定以下の被害額なら逮捕しないという割れ窓理論の真っ逆さまな
政策によるものでありまして、こいつのせいで妖怪たちが生活する隙間が減少しているのです。
なぜなら、この状態では人間が妖怪たちと同じ振る舞いをするのです。
こうなると妖怪や幽霊は意味消失を起こしてしまいます。
世界的な疫病による社会的な変動は妖怪たちの人口動態を大きく動かします。
ただし、妖怪たちがいなくなるってわけではないです。違うタイプの妖怪が出現して
猛威を振るうのです。そうなるとまずは訓練や研究ということになるのですが、
それはできれば、隠れ居てやりたいって話のようですね。