■月 ●日  No6800

 今回は年末特別企画と題して、私たちの世界に棲んでいる妖怪の実態を、事情通にお聞きしました。
 私たちの世界に棲んでいるという妖怪たちがどのように私たちの生活に溶け込んでいるのか尋ねてみましょう。
 
 記者 本日はよろしくお願いします。
    早速ですが私たちの世界に妖怪というのは存在するのでしょうか?
 事情通 もちろん存在しております。しかしながら彼らの存在は皆さんの想像とはかなり異なる点はあらかじめ申しておきます。
 記者 と、申しますと?
 事情通 そもそも妖怪と言いますが、彼らの定義は何なのかということです。
    人型をしているなら、人として接する必要がありますし獣の姿をしているなら獣として接する必要があります。
 記者 それは妖怪も人間もそう変わらないということですか?
 事情通 その通りです。人類に危害を与えない限り、我々の社会的ルールに従っている存在が人類とどう違うのだということです。
 記者 いきなり哲学的ですね。
 事情通 しかし、現代の世界に生きる妖怪を理解するには必要なことです。

 記者 それはすなわち、妖怪はそれだけ私たちの生活に溶け込んでいるってことですか?
 事情通 その通りです。妖怪というから変なのです、もはや人種に近い位置づけです。
 記者 それはつまるところ普段私たちが接している市井の人々にも妖怪が混じっているってことですか?
 事情通 そうです。たぶん普通の人は判別困難ですね。ただ、幾つかの傾向は存在します。

 記者 傾向ですか? それって妖怪と人間を見分ける手段ってことですか?
 事情通 あくまで傾向ですね、妖怪が用いている擬態技術の問題ですが概ね顔体型が整っているのですね。
 記者 つまり美男美女ってことですか?
 事情通 そうです。外見の変更は非常にロジカルなんです。ロジカルゆえに外見変更は一定のテンプレートの上に存在します。
 記者 たとえば
 事情通 左右対称ということです。左右対称なら姿を変えるための情報量は半分で済みます。
     ただ、それだとあからさまなので、化粧や髪形などで調整します。
 記者 そこは化粧ですか? 
 事情通 そっちの方が低コストですし、そもそもすっぴんでいる方がおかしいですよ。
 記者 それもそうですね。まさかと思いますが血がついているといかおどろおどろしい外見の場合は?
 事情通 もうほとんど特殊メイクです。昔は自前でやっていたそうですが、現代ではコストに見合いません。
 記者 世知辛いですね。 

 次回へ続く