▽月 △日 No 102 財源は公費


出社早々、ボスに呼ばれたらそこにはボスと閻魔様がいた。
どうやら昨日のドロワの件ではなかったらしい。
閻魔様が開口一番「サッカーがしたい」というので「やれば」と小さな声で言ったらに殴られた挙句、床でじたばたと暴れ始めた。
威厳ゼロである。 ミニスカからなにかが見えた気がしたが見なかったことにした。 命がいくつあっても足りない。
ボスの部屋にある巨大プロジェクターにはよくわからない建造物が映し出されていた。
何に使うんだと聞いたら復活した閻魔様が「必殺シュート」と言った。 
建造物には、光学式のレーザービーム発生装置12門のほか観客席に迷惑がかからないように
防衛システムが配備されていて、さながら要塞である。 誰が見ても食らったら本当に死ぬ「必殺」シュートにしか見えない。
これが演出のため"だけ"に使用されるのだ。 頭が痛い。
費用や資材はどこが負担するんだと聞いたらそれを捻出するのが私の仕事らしい。 


私の心配をよそにお金の工面は割と容易にできた。 資材の問題は難しかったが、隙間妖怪が鉄鋼をいくつか工面すると言ってくれた。
細かいことは気にしてはいけない。 これは神隠しなのだ。 うん。 
スポンサーの霧雨店によるとサッカーは幻想郷の娯楽としてすでに確立しつつあり、入場料だけで
すぐにペイできることがわかった。また、妖怪の力を借りてもいいので人件費が思った以上にかからないのも大きい。
たとえば重機がいらない。これが一般の建設工事との違いである。 設計は岡崎と北白河が当たっている。
着工のめどが立ったので報告すると、工期が滅茶苦茶タイトなことがわかった。
ロケット以来の久々の建設工事開始である。