2008-02-01から1ヶ月間の記事一覧

□月 ★日  No578 義務と権利

今年も新卒入社の季節がやって来た。 朝倉と里香女史が必死なのはいつものことだが 浅間もやや必死である。 お酒が飲めるかどうかをしきりに気にしている。 相手が妖怪だろうが人間だろうが頭を悩ませるのは人間もしくは妖怪関係である。 会社組織である以上…

□月 ★日  No577 残された人たち

世の中には物好きがいるもので、幻想郷へ行きたいという困った人がいる。 普通なら頼まれたって行くべきこところではない。 美しい妖怪少女目当てだとしても 今いる人生を棒に振るくらいの覚悟が必要だ。 今日はそんな幻想郷に行ってしまった人ではなく残さ…

□月 ★日  No576 月兎の能力とEMP

霊能局の連中と雑談。小兎姫が妖怪たちに余計なことをしてほしくないと漏らしていた。 彼女がもっとも警戒しているのは人間世界に対する報復らしい。 彼女が月の脅威について興味深いことを話してくれた。 人間が月へ観測しに行っている間に月から妨害活動と…

□月 ★日  No575 アイス争奪戦

レティホワイトロックと言えば、幻想郷で有名な冬妖怪である。 氷妖精であるチルノとの同一性を指摘されるが、異常冷気をもたらすのが氷妖精であり、冬妖怪のレティとは 根本的にできることが違う。 特にコントロールの精度で大きな差が生まれる。 春の足音…

□月 ★日  No574  異種間カップルのなやみ

久しぶりに学生時代の友人と会う。 友人の妹が離婚したという話。 妹の旦那が自宅警備員で、姑が旦那にお金を入れているため 生活はとりあえず成り立っているとかなかなかヘビーな話を聞かされる。 私に話を振られても困る部分である。 幻想郷でも外の世界で…

□月 ★日  No573 リリーホワイトのヒーリング現象

今年もリリーホワイトがやってくる季節がやってきた。 リリーホワイトと言えば春の到来を告げる妖精である。 彼女の姿を目撃することは吉兆とされ、御目出度い存在として認知されている。 彼女の姿を見ると微笑ましい気分になる。 最初だけは。 我々商品を配…

□月 ★日  No572 モーフィング神霊様

配達をしながら適当に雑談。 幻想郷には神霊と呼ばれる人種がいるらしい。意味消失した亡霊がなにかの謂われによって新たな意味を 与えられてカミと成したものだと言われている。 月にはそんな神霊がけっこういるらしい。 ただ、彼らは決して自助努力でカミ…

□月 ★日  No571 ゴミ屋敷のひみつ

香霖のところへ棚卸状態を確認。様子を見るのを怠っていたら、案の定凄いことになっていた。 店の中はそこそこ整っているのだが、倉庫に行けばそこはカオス空間である。 ゴミ屋敷といっても過言ではないことになっている。 十六夜月の影響だったり、隙間妖怪…

□月 ★日  No570  大衆居酒屋「八岐大蛇」

朝倉が帰ってきた。 少しだけ声が大きくなった気がするほかはいつもどおりである。 研修中はお酒が飲めなかった(本当はお酒を飲むこともできるのだが、暗記項目を頭に詰め込むので それどころではなかった)らしく、終わったらみんなで打ち上げをしようとい…

□月 ★日  No569 「水に流す」の文化

出社したら朝倉の姿がない。 岡崎に聞いたら、私が幻想郷に出張していた時から 管理者研修というのものに3泊4日で出かけているらしい。 幻想郷に物資を送り届けるという特殊法人であっても、あくまで企業である。 管理者研修というのは、いわゆる外注の教…

□月 ★日  No568 祈年祭

祈年祭である。 毎年この時期になると行われる五穀豊穣を祈る祭祀である。 暗くなっている豊穣のカミを強制的に起こし行われる祭りである。 幻想郷では祈年祭の実行にかなりの混乱が見られる。 というのも、この行事は江戸の御世でいったん途絶えてしまった…

□月 ★日  No567 小兎姫の手記

目が覚めたら雨が降っていて少々陰鬱な朝。 リベラル系の新聞に目を通してとりあえずの情報収集。 残業続きのせいで化粧のノリが悪い。 朝のトースト。特売で買ったパンが柔らかくて美味しい。今度買いだめして冷凍庫に入れておこう。 部下に指示を与え、ヘ…

□月 ★日  No566 たまには落語でも聞いてみようか

列車のメンテナンス関係のせいで幻想郷にいたまま休日を迎えてしまった。 寮にはネット端末があるので、ニュースやら情報を手に入れるには不自由しないが、 せっかくの休日なので外に繰り出してみる。 幻想郷に遊びに来たならばチェックしたいのはやはり舞台…

□月 ★日  No565 妖怪と傭兵

会社が久しぶりに暇である。 たまに来る問い合せ以外はあまり仕事がない場合 ボスは欠伸をしながら新聞を読んで、朝倉は椅子に腰掛け船を漕いでいる。 仕事しろよ。 北白河は黙々と伝票作業をしている。 岡崎は資料の作成。 魂魄は刀剣の手入れ、冴月は銃を…

□月 ★日  No564 涅槃会(ねはんえ)

幻想郷の仏閣が忙しくなる日。 今日はお釈迦様の命日である涅槃会の日である。 この日阿礼乙女の家から運ばれるのは涅槃団子と呼ばれる団子である。 これを食べると無病息災で過ごせると言われる。 幻想郷では謂れの力が本当に力を見せるのでこれを食べない…

□月 ★日  No563 お菓子を配りましょう(二年目)

一体何が起こったのか今ひとつ理解できないのだが 今年はなんと、たくさんの義理チョコを貰うことができてしまった。 浅間や朝倉がチョコを配り始めたため、他の面子も右へ倣えしただけかもしれないが それでも大きな一歩である。 自称現人神からチョコレー…

□月 ★日  No562 幻想郷におけるアレルギーの話

今年も花粉の季節がやってきたということで、うちの職員も何人かはマスク着用で 仕事を頑張っている。 うちのメインメンバーで花粉症の者はいないが 眼鏡とマスクをかけながら仕事をしているメンバーを見ると心が痛む。 幻想郷の人間はアレルギー体質の者は…

□月 ★日  No561 船便到着

妖怪の山をくり抜いたドックにうちの会社の船が入港したらしい。 幻想郷に物資を運ぶ際、あまりに巨大すぎたり急ぎの荷物でない場合は船で運ぶことになる。 大体半年くらいかけてゆっくりと運ぶ。 とかくスピード重視の世の中にあって、とても気の長い話であ…

□月 ★日  No560 決戦前夜

パーティーに向けて食材、資材の大量搬入。 テーブルが足りなくなったので、急遽ホテル用のテーブルを取り寄せてピストン輸送するなど 面倒なことになった。 これまた大量のテーブルクロスに、スペルカードで動作する無数の暖房が セットされている。 氷妖精…

□月 ★日  No559 我々は負けたのではない勝ち取ったのだ

浅間が手作りチョコレートの材料を買い込んでる。 そろそろバレンタインの季節だと感じ入る。 お湯を沸かして湯煎をするのかと思いきや用意したのは電磁調理器とステンレスボウル。 調理器を弱火にして、ボウルの上でチョコレート片をくるくる回すとみるみる…

□月 ★日  No557 生き方を変えることはできるのか

魂魄にしろ冴月にしろ、幻想郷の外にいる妖怪たちは銃を使う者が少なくない。 これまでの信義を捨てて、新しい武器を取り入れることは自分の生き方を否定するようなものである。 朝倉も魔法を使わせれば化け物じみた能力を行使できるのに科学の力も利用して…

□月 ★日  No558 紅魔館前祝いパーティ

朝、出社すると何やら社内が騒がしい。 閻魔様が神妙な表情でボスと話していて 普段とは違う雰囲気に違和感を感じる。 発注書入れを覗いたら紅魔館から膨大な量の食べ物の注文が舞い込んでいた。 デモンストレーションが好きなヴァンパイアの主人だが、予想…

□月 ★日  No556 ホームパーティに込められた意味

うちのボスはことある事にホームパーティーを開く。 毎回美味しい食事とワインに ありつけられることもあり、食費を浮かすためという本音もあるがパーティに参加している。 毎回出されるご馳走の材料を買い出すだけでも相当のお金がかかる。 業務用スーパー…

□月 ★日  No555 人間相手の商売に思う

幻想郷に住んでいる人間が常にまともな奴らかというとそれは絶対にあり得ない。 私が知る限り幻想郷の人間も顕界に住んでいる人間も、その文化こそ違っても その根っこは変わらないと思う。 私はたまにマーケティングリサーチをかねて霧雨店の手伝いをしてい…

□月 ★日  No554 黄昏酒場で銃撃戦

幻想郷の中でも外でも妖怪たちはお酒が大好きである。 そんな妖怪たちの胃袋を満たすため、会社勤めの妖怪たちのストレス解消のため存在しているのが 黄昏酒場と呼ばれる酒場群である。 もっぱら妖怪たちや、うちの会社のOBによって経営されているこの酒場は…

おしらせ

2月6日〜7日まで仕事上の都合のためお休みさせていただきます。 6日分の日記は前倒しでアップロード 7日分の日記は日付が変わると自動的に表示されます。 よろしくお願いいたします

□月 ★日  No553 冴月のたいせつなもの

うちの会社で、玄爺以上になにをやっているのか分からないメンバーと言えば 間違いなく冴月だろう。 配達業務をするわけでもなく、依頼を受けると妖怪たちを幻想郷に 送りつけたり、逆に顕界に送って力を奪ったりすることができるらしい。 朝倉に言わせると…

□月 ★日  No552 幻想郷のUMA

香霖に頼まれてとある生き物の処置について考えることになった。 その生き物とは槌の子である。顕界でもUMAとして有名な槌の子は、うちの会社でも 結構いわくつきで取り上げられる。 この生き物は基本的に大食らいで知られているが、その食欲たるや 村の食料…

□月 ★日  No551 リベンジならず

藪蛇という言葉は今日のためにあるのだとつくづく思う。 とうとうこの日がやってきた。 今日は恐怖の節分である。 昨年の豆集中砲火で体中に痣ができたあの思い出にリベンジする日が来たのだ。 今日のために投資した額を考えるとたちまち鬱になるが しかあし…

□月 ○日  No550 中間管理職狐の裏稼業

高天原にあるGPS衛星群のファームウェア更新。 幻想郷で物資を運び入れる仕事をする上で 人工衛星はなくてはならない存在だ。 時たま月兎が衝突したり、デスマシン妹君が 気まぐれで破壊したりするが我々の仕事は衛星無くしてはとても成り立たない。 幻想…