2008-05-01から1ヶ月間の記事一覧

□月 ●日  No664 続水子の話

ある農家の家で赤子が生まれるというので、必要な道具を配送していたのだが 笑い声が一転悲鳴に変わって騒然となった。 何事かと思って様子を覗いてみると、生まれた子供の姿形に違和感がある。 所謂畸形である。 多くの場合こうした赤子は内蔵に致命的な障…

□月 ●日  No664 土蜘蛛様が切り開いた大切なこと

いつものように薬屋のところへ納品をしていると珍しく質問が飛び込んできた。 幻想郷の人間はワクチン療法や予防接種について何も抵抗感がないというのである。 私は土蜘蛛様のお陰だと答えることにしている。 うちの会社で土蜘蛛様と言えば、幻想郷に検疫の…

□月 ●日  No663 圧力団体と仲良くしようぜ

何気なくテレビを見ていたら某環境保護団体の抗議デモの中に、ケイマン諸島で見かけた 妖怪資本のお偉方を発見して思わずお茶を噴いてしまった。 そんなものも映る今の高精細テレビには驚くばかりだが、妖怪たちと環境保護団体の取り合わせには かなり驚かざ…

□月 ●日  No662 小兎姫の手記

朝、ベットから転落寸前のところで目を覚ます。外はまだ薄暗い午前五時。 予定より少し早く起きたのでシャワーを浴びてちょっと凝った朝食を食べる。 毎日これくらい余裕があればいいのだけど、ついつい夜更かしした後はなかなか起きられないものなのです。 …

□月 ●日  No661 幻想郷で所得税?

幻想郷から雇用した妖怪たちの給料日。 この日になると毎度おなじみのやりとりが繰り広げられる。 それは天引きされた所得税のことである。 幻想郷には基本的に税金はない。 税金はないが祭りなどのイベントではお金を出し合わないと行けないし 治安活動はボ…

□月 ●日  No660 妖怪達の能力に関する多面的思考

昨日魔界の妖怪たちの話になったついでに 魔界に住んでいる妖怪たちは色々な意味で特殊な存在と言われる。 それは戦闘能力のことではなく、妖怪たちの能力を増強するものと言われている。 ボスに以前、もし月勢力が本格的に攻めてきて隙間妖怪でも博麗の巫女…

□月 ●日  No659 地鎮祭で根回ししましょ

幻想郷で土木工事をする場合、当然のごとく地鎮祭を執り行う。 基本的なルールは顕界と同じなのが興味深い。 ただし幻想郷における地鎮祭はちょっとだけ別の意味合いがある。 幻想郷の地下には地獄などの地下集落が存在して、便宜上当社では魔界と呼んでいる…

□月 ●日  No658 幻想郷で仕事をするために必要なもの

最近私宛に幻想郷で働き続けるにはどうすればいいか聞かれるので雑記的に纏めてみる。 幻想郷で働くために必要な資質を書き出すとこうだ。 1どんな酷い目に遭っても怒らない大らかな心(時間を守らないのはざら) 2少女妖怪と付き合わないこと(現実を前に…

□月 ●日  No657 幻想郷で成人病

幻想郷の成人病と言ったらなんといっても糖尿病である。 お酒の消費量が多い幻想郷では飲酒のしすぎによる糖尿病患者が少なからずいる。 また未成年での飲酒が原因で糖尿病を誘発するケースもある。 肝機能障害と慢性膵炎がセットになっている場合が多い。 …

□月 ●日  No656 行程と結果

閻魔様のところへ阿礼乙女からの資料を送る。 普段は明羅女史がやっている仕事なのだが 季節代わりのせいで風邪を引いたらしい。 阿礼乙女にうつしたらどうするつもりなのだろう。 最近三途の川が顔パスで困る。 よく幻想郷の人間を間違えられない物だと思っ…

□月 ●日  No655 これなんて○○○?

魂魄から助けてくれと言う連絡を受け北白河と一緒に例の神社へ支援へ向かう。 どうやら香霖堂から購入したパソコンを納入したらしいのだが、 結局上手くいかなくて、私と割とコンピューターに明るい北白河を呼んだ次第。 最初の頃はその生活環境のギャップに…

□月 ●日  No654 夜の社交場「C2H5OH」

黄昏酒場群にあるお店 夜の社交場「C2H5OH」 仕事の打ち上げで、今日はここで夕食会となった。 店の中身はどちらかと言えば女性向きの内装。 間接照明を駆使した照明空間と清潔感溢れるガラス棚がトレードマークの店作りである。 女将さんである有江さんは、…

□月 ●日  No653 幻想郷結婚事情その2

学生時代の友人が結婚するというので前祝い。 飲み会の席で私にもお相手が居るのかと案の定話を振られた。 今度いい人を紹介してやると言われたが、自分の仕事についてまともに話ができないのは正直辛い。 年収もそれなりだと思っているのだが、ふと考えてみ…

□月 ●日  No652 お茶漬けが食べたいんだ文句あるか?

夏も近づく八十八夜ということで、幻想郷では新茶シーズン真っ盛りだ。 今月上旬に摘んだお茶の葉がこの時期店頭に並ぶ。 そこで始まるはお茶争奪戦。 今年一番のお茶漬けを賭けていざ鎌倉。 幻想郷の妖怪たちはお茶が好きである。 冬の香気が薄れたお茶から…

□月 ●日  No651 河童の電気点検

幻想郷には少数ではあるが電気が通っている建物が存在する。 今日はそういった建物の室内配線を点検する日である。 数十名の河童と我々のスタッフが集まって手分けして作業するのだ。 顕界では室内配線を外部の業者が点検するのは考えられないことだろうが …

□月 □日  No650 妖怪とおふろ

エレンのマジックショップで何故か橙を発見するもなにか様子がおかしい。 紅白を基調とした服は漆黒に染め上がり、何よりメスではなくオスの面構えをしている。 まさに橙の色違い。 思わず名前を聞いてみたら、使い魔のソクラテスだった。なんてこった。 ま…

□月 □日  No649 幻想郷の企業における社会的責任

幻想郷に住んでいる人たちに会社で使う伝票の起票方法や商売の慣例を教える。 複写カーボン紙に驚くところから始まり、いろいろなことを一から教えなければならず難儀する。 毎年やっていることではあるが、ボールペンのインクが無くなっただけでも大騒ぎす…

□月 □日  No648 人を食べなくなった妖怪たち

幻想郷で妖怪が人間をおおっぴらに食べなくなってかなり経つ。 もちろん幻想郷の外から迷い込んだ人間が食べられることもあるのだが、その頻度も以前と比べれば だいぶ減ったと言えるだろう。 これはメトセラ娘の活躍も大きい。 いくら当社が妖怪のための物…

□月 □日  No647 博麗神社改装工事

顕界の博麗神社修復工事中が進行中。 近代的な消火設備と耐震装備を持った神社に生まれ変わる予定との事。 耐震設備の中核を成すのは、タイヤメーカーが作った免震機構だそうだ。 これだけの耐震設備を整えると幻想郷の博麗神社にもそれなりの影響が出ること…

□月 □日  No117 甘粕の回顧録7

朝倉理香子をゲンソウキョウの外へと招き入れる。 本来ゲンソウキョウに旅立った妖怪たちが我々の世界に戻ることはあり得ないという。 ゲンソウキョウ最強の魔法使いと名高い彼女だが、果たして我々の世界に馴染めるのか 心配に思う。 彼女が我々の世界にや…

□月 □日  No646 仲良く喧嘩しな

永遠亭のニート姫とメトセラ娘といえば一応殺し合いをしている仲である。 おおむね仲良く喧嘩しなの領域なので上白沢も薬屋もあまり深刻に思っていない。 ただし巻き込まれるこちらとしては大迷惑である。 永遠亭に品物を届けに行ったらニート姫が、詐欺師兎…

□月 □日  No645 有限責任と無限責任

今年も新しい社員が続々入ってきて賑やかになっているうちの職場。 この時期になると朝倉が新入社員に、「いざとなったら私の名前を出していい」という光景を目にする。 私も同じ事を言われた。 まさかそれが水戸黄門の印籠なみの効力があろうとは当時の私も…

□月 □日  No644 幻想の世界を汚染する化学物質

最近幻想郷に色々と危険な農薬や科学物質の類が流れ着いている。 いわゆる不可抗力的な神隠しによるものだが、このところその危険性が洒落では済まなくなってきた。 こういう薬品類に対して霊能局はろくに対応してくれない。 小兎姫にそのことを相談したら「…

□月 □日  No643 本当の母の日

風見女史から大量の白いカーネーションを買い入れる。 母の日のイベントで使うためである。 ところが幻想郷の母の日は意味合いが大きく異なる。 まずカーネーションの使い方が違う。 この白いカーネーションは自分の母親に対するプレゼントではでない。 そも…

□月 □日  No115 甘粕の回顧録6

霧雨の中魔法道具店に赴き魔力を帯びた骨董品を受け取る。 当社と取引のある魔法道具店の中でも最も古い歴史を持った場所である。 そこの店主は一見すると人形のような幼女のような姿をしているが その実年齢は八雲の九尾狐に匹敵するとも言われている。 骨…

□月 □日  No642 魔窟

幻想郷にある現地法人の一角にスペルカード開発室がある、ここではより戦闘能力の高い、 そして高密度弾幕を安定生成するべくプログラマたちが日夜頑張っている。 普段はあまり近寄りたくないところなのだがお使いで顔を出す羽目になった。 まずこの部屋を見…

□月 □日  No641 月到達祝賀会 到達してしまえばこっちのもの

博麗の巫女月到達祝賀会。 無駄に莫大な予算を賭けて作られた紅魔館製三段ロケットが月に到達したらしい。 ボスはこれで目的の8割は達成されたと喜んでいた。 もちろん博麗の巫女が月で起こっている異変を解決したわけではないし 政治的になにか決着がついた…

□月 □日  No640 怪獣大決戦

今日は端午の節句 顕界ではこどもの日と言うことでおもちゃ屋さんに大賑わいになる日である。 一方で幻想郷における端午の節句とは田植えを前にしてのお清めの儀式の意味合いが強い。 そんな謂われがあるのだが、自称現人神のところではお構いなしに変な出し…

□月 □日  No639 博士の家出

エーリッヒ博士が行方不明になったというので皆で探しに行く。 冴月と朝倉が心当たりがあると言ってやってきたのは片道3時間強の電気街秋葉原だった。 エーリッヒ博士が最初に発見されたのもここだった。 エーリッヒ博士の外見を整理してみよう。 長身で、…

□月 □日  No638 薬屋の功罪

薬屋が幻想郷の町中に進出して結構な月日が経った。 よく効く薬を売っていると評判の一方で 色々と恨みを買い始めても居る。 薬屋に材料を納品するときも、それなりに警戒しないといけないくらいである。 薬屋は幻想郷に今まで殆ど用いられなかった化学薬品…