2007-07-01から1ヶ月間の記事一覧

○月 ★日  No271 幻想郷の建築物

幻想郷の建築物は一般的に木造である。 その構造は現代の木造建築と大きく異なる。 まず幻想郷の建物には筋交が殆ど使われない。 筋交とは柱と柱の間に斜線上に付ける柱のことだ。 結界の外の木造建築では、筋交に加え端部に金物でさらに補強を加えている。 …

○月 ▼日  No270 アナログへの回帰

外の世界からやってきた人たちはまず携帯電話をかけて通じないことが 判って途方にくれる。これは幻想郷内での無線通信が大きく制限されるからだ。 携帯電話のインフラを整える環境がありながら、幻想郷では電波を飛ばすことに 関してはかなり慎重である。 …

○月 ▼日  No269 隣の閻魔事情

幻想郷に迷い込んだ結界の外の人たちは概ね妖怪に捕食される。 その話をするとよく聞かれることが 「何故凶悪罪を犯した者が幻想郷送りにならないのか」なのだが その理由をボスの友人の閻魔様にそのことを聞いたことがある。 その答えとは「幻想郷に送った…

○月 ▲日  No267 基地移転

妖怪の山の基地移転が完了してお披露目会。 式典にはボスや玄爺などが出て かなり華やかな雰囲気である。 中は新品でぴかぴかだが、パレットの類は昔のままなので妙に浮いている。 特に大きな変更は検品が機械化されたことだ。これは結界インフレーションが …

○月 ●日  No266 紅魔館の図書館

ノーレッジ氏の図書館には大量の本が貯蔵されている。 その本を魔界から出向したデーモンや妖精たちがせっせと整理し続けている。 いうなれば情報の墓場のようなところだ。 電子化が進んでいるとはいえ、ペーパーメディアの利便性は未だ健在である。 これら…

○月 ▲日  No265 割り切ること

プリズムリバー家の引渡しが完了するというので、朝倉がドレスと白衣という面妖な姿で 幻想郷に行ってしまった。 なんか見ちゃいけないものを見た気がする。 私はというと、会社を辞めたいという同僚の相談を受けていた。 世の中に不満があるなら自分を変え…

○月 □日  No264 裏腹の世界

霧雨店で鍬を見かける。幻想郷の農機具に目を向けてみると、 未だに千歯こきや唐箕(とうみ)がある。 我々の正体を知る香霖が私に、外の世界の農機具はどんなものなんだと 聞かれたことがあった。 我々がいつもさまざまな物資を持ってくるので疑問に思って…

○月 □日  No263 仕入れの話

今日は北白河と一緒に、卸売市場にお邪魔した。 幻想郷の外の世界での業務に、こうした卸売市場での仕入れがある。 本来妖怪たちに商品を送り届ける仕事をしている我々だが、こうした形で市場調査や コストダウンの糸口を見つけるのだ。 卸売市場の光景は幻…

○月 ○日  No262 隙間に位置する世界

幻想郷を描写する著書は色々あるが、その著書の中にあるさまざまなものが何に由来するのかを きちんと考えたものは実はあまりない。 我々は博麗大結界の隙間に存在してる存在である。 幻想郷を維持するために日夜活動している企業である。 著書の中でしばし…

◎月 ×日  No261 大人の戦い

ボスが料亭へ出かけた。 博麗神社の保存のため政治家への根回しをするらしい。 車には実弾が入っているであろういくつかのジュラルミンケースが積み込まれている。 彼女は厳しい顔をしている。 おそらく自分の要求が100%通らないかもしれないという。 す…

◎月 ★日  No261 まともな商品ばかり扱えるとは限らない

うちの女子社員が私に質問してくる。 なんでも妖怪が俗に言う大人のおもちゃを注文してきたらしい。 私が無反応で発注先と発注掛率を教えたものだから、 女子社員は「セクハラですか?」と抗議の声をあげた。 いちいち反応するのが新入社員らしい。 北白河な…

○月 ×日  No257 果たし合いと戦争

幻想郷では博麗の巫女は基本的に無敵とされている。 彼女は博麗大結界のハブであり 彼女を殺害すれば数刻もたずに 結界が崩壊する契約となっている。 ところがボスに仮に我々の勢力を結集して博麗の巫女を斃すことが可能か どうか聞いたら、あっさり可能と答…

◎月 ★日  No260 魂魄と棺桶

米帝から緊急要請が入った。 自分の国の2機のアームスーツこと棺桶が神隠しにあったという。 その地域は以前から結界が不安定で霊能局が警告していたところだった。 通常外の世界からきた人間は捕食される運命にある。 棺桶と呼ばれる所以は簡単、アームス…

◎月 ×日  No259 人体に無害でも

商品を配送しようとしたら、税関からストップがかかった。 どうやら商品の中で魚毒性検査に引っかかったものが出たらしい。 この魚毒性という要素はきわめて始末が悪い。 一例を挙げるとピレトリンがある。 一般的には除虫菊に含まれている奴で よく風見女史…

○月 ×日  No258 似たもの同士?

最近、冴月が阿礼乙女のところをしばしば訪れている。 気が合うらしく、特に害もないし 武器の使い方を教えているわけではないので我々も安心していた。 結界を突破しようと税関に行ったら、丁度職員がが幻想郷からビデオテープを 持ち出そうとして里香女史…

Intermisson2

幻想郷に絶えず物資を送り続ける企業「八雲商事」 その列車の運行を支えるのが「鉄道警備隊」とよばれる人間と河童の混成部隊です。 今日は妖怪の山にある24時間眠ることを知らない鉄道警備隊の24時間 密着取材を敢行しました。 早朝、日が昇ったと思っ…

○月 △日  No256 フォロー

納品の帰路に、なきじゃくる妖怪の娘を発見する。 博麗の巫女に本を強奪された挙句その本が香霖のところに転売されたらしい。 これは盗品だから返してくれと香霖に懇願したが、黒い魔法使いに阻まれたと言う。 まったくもって酷い話だが、私自身博麗の巫女や…

○月 ×日  No255 不用意に扱わないようにしましょう

香霖堂からトラブル発生の連絡を受けて訪問すると、怪我をして泣いている妖精と 困った顔をしている香霖の姿があった。 どうやら外の世界の道具が突然動いてしまったらしい。 自然現象を再現できる妖精が偶然丁度いい電気を 発電してしまったと言ったところ…

○月 ○日  No254 冥界に行ったからって死んだわけじゃない

冥界に行くと戸籍上は死んだことになるのだろうか。 ちょっと不安になったので市役所に行って自分の戸籍を再確認する。 問題はない。 法務の人が「死亡届を出していないから死んでいることになってない」と言われて納得。 最近冥界やら三途の川やら行ってい…

○月 ◆日  No253 指準妖怪

妖怪の体型には意味がある。 たとえば氷雪の妖怪「レティホワイトロック」は 寒冷地特有の高脂肪の持ち主である。これは露西亜の女性にも似た特性である。 氷妖精も北欧系の女性によく似た身体的特徴を備えている。 冴月の幼児体型は、敵の命中率を低下させ…

○月 ◇日  No252 博麗のカード

朝出社したら、目の前に監査部の連中がいた。抜き打ちの社内監査である。 税務署の監査が入る前にこうして会社のお金の流れや業務が正しく遂行しているのかを 調べる仕組みがあるのだ。 いきなりボスに呼ばれた。何かミスがあったのかと思ったら朝倉がエクソ…

○月 ▼日  No251 ネゴシエーター

香霖と久しぶりに話ができた。 彼の商売はよくはないのだが相変わらずでとりあえず安心する。 その話の中で「危機管理」の話が出てきた。 香霖堂における危機は概ね博麗の巫女と霧雨のご息女または デストロイヤーのお歴々であろう。 彼女たちの行動は相変わ…

□月 ○日  No250 バイオハザードin幻想郷

幻想郷に持っていってはいけないものは意外と多い。 特に生体は気を使う。 幻想郷はいわゆる論理結界ではあるのだが特定地域を切り出したため 生態系が意外と狭い中で完結している。 たとえばブラックバスなど、結界の外でも問題となっている外来種が 幻想郷…

□月 ▼日  No249 ドロワ

営業時間が過ぎて会社に戻ったら、部署は明るいのに妙に静かである。 ボスの席に近づいて様子を伺うとボスが珍しく針仕事をしていた。 ボスに裁縫の趣味があったことが意外だが、なにか一生懸命フリルを つけているようにも見える。 何を作っているのですか…

●月 ▼日  No246 プリズムリバーの戦士

魂魄がなにやらアナログな手紙を書いている。 話を聞くと某ミステリー雑誌を見せてくれた。 前世が○○の人連絡くださいという女の子をゲットしようという、どうしようもない内容である。 横目で見ていた北白河が馬鹿馬鹿しいとぼやいていた。 ふとあるものに…

●月 ●日  No248 人気投票

経理部のバカが女の子の人気投票を始めた。 投票はしないがとりあえず遠巻きに見ていることにした。 最初は北白河が頭ひとつリードしていた。 冴月に隠れファンがいるのは意外だった。 突然朝倉に大量に票が入った。 恐らく朝倉自身がダブり投票対策機能をク…

●月 ○日  No247 誰かこいつを止めろ

最近、阿礼乙女がらみのトラブルが急増している。 大半のクレームは妖精たちからで、あちこちにあるトラップで 怪我が絶えないらしい。 ポイントは阿礼乙女自身が手を下していない点にある。 どうやら、阿礼乙女は妖精たちの捕獲方法を教えて回っているのだ…

○月 ▼日  No245 人材を集めよう

このころになると人事部の動きがあわただしくなる。 結界インフレーション後に妖怪たちをヘッドハンティングするのが通例だからだ。 その資料の中に、見てはいけないものを見た。 メイド長の資料がそこにあったのである。 魂魄(先代)が右手を振り上げてガ…

▲月 ▼日  No244 岡崎のメディスン改造計画

最近岡崎が、薬屋のところでお世話になっている人形のところを出入しているらしい。 岡崎は朝倉と違いケミカルには詳しくないはずである。 どうしても嫌な予感がしたので尾行してみた。 そしてついに二人が談笑している模様を捉えることに成功した。 どうや…

▼月 ▼日  No243 組織と個人

組織の中にいる人間の中で、その組織が持つ力を自分の力だと勘違いする者が 後を絶たないのは毎度のことである。 我々が外の世界から来た人間でありながら妖怪たちに捕食されないのも また企業の力である。 新入社員の一人が私に相談してきた。 なんと外の世…