○月 ×日  No257 果たし合いと戦争


幻想郷では博麗の巫女は基本的に無敵とされている。 
彼女は博麗大結界のハブであり 彼女を殺害すれば数刻もたずに
結界が崩壊する契約となっている。
ところがボスに仮に我々の勢力を結集して博麗の巫女を斃すことが可能か
どうか聞いたら、あっさり可能と答えた。
それには、「果し合い」と「戦争」の切り分けをしないといけない。


まず「果し合い」の領域でなら博麗の巫女を攻略するのは実質不可能だ。
強力な妖怪でも「博麗の巫女」という云われの前に弱体化を余儀なくされる。
隙間妖怪の策略により、彼女がわざと負けて見せたためその傾向はさらに強まっている。
「果し合い」とはルールに乗っ取った戦いという意味だ。 
ここではスペルカードルールのことを指す。
博麗の巫女には切り札があり、彼女を沈めることは現状どの妖怪でも不可能である。
だが戦争となったら話は別だ。 彼女を支える云われも情報戦によって潰しが利く。
彼女を支える武装も、香霖堂の制圧で補給不可能にできる。


後は徹底的に不意打ちと物量攻撃でじわじわと相手の気力を奪っていく。
ありとあらゆる酷い手段を駆使すれば、博麗の巫女を斃すことは無理ではないという。
ただ、あくまで無理ではないというだけで実行に移したら沢山の犠牲と費用、
なにより隙間妖怪が黙っていないだろう。
おそらく報復で人類の歴史が幕を閉じる。


ちなみに過去ある者が博麗の巫女を押し倒そうと試みたら巫女に擬態した朝倉だったと
言うことがあったらしい。
冴月から聞いた話だが、その人物には心から同情したい。