2007-09-01から1ヶ月間の記事一覧

■月 ○日  No427 行方不明者捜索

京都大学在籍の要注意人物二人がうちの会社に押し入った。 うちの北白河を頼ってやってきたらしい。 暴れられると困るので北白河と一緒に話を聞いたら、自分の後輩を捜して欲しいという依頼だった。 うちの会社は人捜しなんてやっていませんと返すつもりだっ…

■月 ○日  No426 予想はしていたのだが

例の神社のおねえさんから色々と注文が来るようになった。 一つ言えることは外の世界に染まったカミ様というのはなんとも始末が悪いという 当たり前の事実であった。 これまでは、幻想の住民がほしがる物を推理しないといけなかったのだが このおねえさんは…

■月 ○日  No425 素早く布石を打つこと

紅魔館でロケットを本気で作っているらしい。 紅魔館に仕掛けた盗撮カメラによると どうやら木製のようだが、幻想の世界では木製であっても謂われを与えられれば 本当に宇宙を舞うことだって不可能ではないという。 しかしそれに対して永遠亭はなにも変化が…

■月 ○日  No424 幻想郷の自治システム

上白沢がせっせと土地の証文を書いている。 我々の世界で言うところの行政書士みたいなものだ。所謂代筆屋である。 そもそも上白沢の塾はほとんどボランティアで運営されている。 だから彼女が生活するためにはこうした仕事で副収入を得ないといけないのだ。…

■月 ○日  No423 後片付けと妖精処理

例の神社で自称現人神たちが持ち込んだ結界の外からやってきた物品を整理する。 北白河を応援に呼び、里香女史から借りたリストを参考に幻想郷へ持ち込みができない 品々を箱に詰めて基地に送る作業である。 私はというと、物凄い状態になっていた冷蔵庫の清…

■月 ○日  No422 秘密会談

魔界にいる八百万のカミ様を送迎する。 面子は私と朝倉、冴月である。私は事実上の戦力外だが顔合わせが必要との 判断からの同行となった。 魔界にいるカミと言われるととても怖いイメージがあるが、 あの閻魔様でさえ女の子だったりする場合もあるからそれ…

■月 ○日  No421 5Sの法則

朝倉がまた伝票を机の中に入れっぱなしにしていたということで ボスに叱られていた。 ボスに言わせれば、仕事をきちんと遂行するには 「5S」が重要だという。 すなわち 整理 整頓 清掃 清潔 しつけであり 仕事の段取りをつけるにはとても重要な要素としてい…

■月 ○日  No420 電気に頼って生きる世界

借金取りの天狗二人が、博麗神社の賽銭箱の中身を取ろうと四苦八苦しているのを 目撃する。 慌てて止めに入ったら、借金は博麗神社に請求してくれと 住民に言われたらしい。 いつの話だと聞いたら自称現人神が倒れた後の事だったので 頭が痛くなった。 本気…

■月 ○日  No419 妖怪とキスするときは抗生物質必須ですよ

半年くらい前、博麗大結界の外で自然保護テロを企て、ボスの計らいで 幻想郷へ行った男が薬屋の病院で入院しているという話を聞いて様子を見に行った。 実際に薬屋の経営する病院へ行ったら、なんと面会謝絶になっていた。 なんでも肝機能が低下したため予断…

■月 ○日  No417 自称現人神ダウン

ボスの指示で妖怪の山に新しくやってきた神社の様子を見に行く。 神社の前で「すいません」と叫んでも何も応答がない。 神社の廻りを一周してみたら生活感があることから、自称現人神の女の子が ここに住んでいることは容易に推察できる。 誰もいないと思っ…

■月 ○日  No418 ピコぽんハンマー

ここ数日冴月の様子がおかしい。 「あの馬鹿どもをどうするか」と 譫言を言うばかりである。 心配であるが本人に聞くのはあまりよろしくないと思って、朝倉に意見を求めてみた。 朝倉に言わせると、幻想郷に例の神社がやってきてから冴月の様子がおかしくな…

■月 ○日  No416 紅魔館のオーダーカーテン

紅魔館へカーテンを納めるために採寸作業に立ち会う。 紅魔館のカーテンは季節の変わり目に切り替えるのだが、中で発生する様々な 事件または破壊活動により、サッシ廻りの寸法がしばしば変動してしまう。 そこでオーダーカーテンをつくるために採寸作業を行…

■月 ○日  No415 教育と実践の隙間

うちの会社の社員教育はもっぱらOJTである。 これは講義のような形での教育は幻想郷の世界の前には 全く意味をなさないからである。 もちろん幻想郷の概要や基本的ルールは最初に話を受けるのだが まるで外国の案内を見ているようで、あまりピンと来ない。 …

■月 ○日  No414 幻想郷の切り花

風見女史のところへ行き切り花を受け取る。 彼女の好意で幻想郷のお彼岸やお盆で使う花は、自給率ほぼ100%である。 結界の外から運ぶことも不可能ではないが、運んでいる間にしおれてしまうことが 多く輸送が難しいという事情もある。 結界がもっとスム…

■月 ○日  No413 悪魔召還

よくあっては困ることだが、自分のどうしようもない欲望のために 幻想の生き物を呼び出そうとするのはやめていただきたい。 大体において、呼び出した本人がまともな目に遭わない。 悪魔を呼び出す儀式をしている馬鹿がいると知らせを受けて 小兎姫と一緒に…

■月 ○日  No412 幻想の世界を護る要素

ボスに幻想の世界を守る上で重要なものは何ですかと聞いたら 「カネ」と言われてがっくりきた。 幻想郷に物資を送ったり、人々の生活を維持したりするにもまずカネがいる。 幻想郷の住人を支えているのもまずカネである。 月の脅威に対抗するためにも身を守…

■月 ○日  No411 計画性ゼロ

ひさびさに永遠亭に納品に行ったら、中でニート姫と詐欺師兎がなにやら慟哭している。 聞けば満月がそろそろ近いという。 後ろに積まれたのはプリントの山 それは上白沢の塾で配られている夏休みの宿題であった。 妖怪兎どもが勉強をしている風景を想像した…

■月 ○日  No410 海賊達の運命

幻想郷へ物資を移送するには基本的に二通りのルートがある。 ひとつは輸送列車、もうひとつはタンカー輸送である。 いずれも偽装がしやすく、トラブルも少ないのでとても重宝するらしい。 そんな輸送タンカーが海賊に襲われた。 これは結界の外の話である。 …

■月 ○日  No409 白玉団子

幻想郷では原則半加工食品の搬入は禁止とされていたが、最近 白玉楼だけは許可の運びとなった。 理由は簡単、料理に時間がかかりすぎたらお嬢様の胃袋を満たすことが 難しくなるからである。 あまりに下ごしらえが長い料理では、すぐに白玉楼の食料ストック…

■月 ○日  No408 故障列車

幻想郷に物資を送り続ける列車。 結界を突破し謎の多いこの列車も 故障するときは故障する。 列車運行はこちらが連絡しなくても管制システムが停車状態を 検知して然るべき対応をしてくれる仕組みだからいつかは助けてもらえる。 慌てずに積み荷の保全をすれ…

■月 ○日  No407 スポーツの秋

朝倉がテニスウェアを着ているので「新手のコスプレですか?」と聞いたら ラケットの束で殴られた。 私が幻想郷で色々忙しい中、最近社内ではテニスが大流行しているらしい。 体育館でもテニスコートがつくられて、みながテニスに興じていると思ったら、 大…

■月 ○日  No406 技術へ殉じたひとたちへ

河童たちが炊飯器の前で黙祷を捧げている。 彼女たちにとって炊飯器はとても大切な道具である。 カッパ巻きを作るには、なによりおいしい白米のご飯が必要なのだ。 この白米のご飯がくせ者である。 幻想郷の食べ物の多くが粥やおじやになっているのは 白米を…

■月 ○日  No405 幻想郷の集約農業システム

農業の繁忙期が近いため、脱穀機や米を入れる袋を霧雨店に納入する。 納入した商品はすぐに店頭に並ぶのだが、それらがあり得ない早さで 売れてしまう。 おおよそ個人で買うには高価すぎる買い物に 目を丸くしてしまう。 霧雨店の店員に話を聞くと、集落単位…

■月 ○日  No404 豚供養

この日、うちの社員は全員喪服姿となる。 「豚供養」が行われるためだ。 うちの会社では妖怪の食用にヒトのES細胞を用いた 豚を出荷している。 偽善的であるのだがギリギリの線だったらしい。 彼らは人間の代わりに妖怪たちの食料となっている。 彼らに哀悼…

■月 ○日  No403 輸送列車の内部に眠るモノ

会社で伝票整理をしていたら、岡崎が列車で話があると言ってきた。 もしかしてもしかするのかと一瞬だけ期待したが、行った先に北白河がいたので 少しだけがっかりした。 岡崎は幻想郷行きの列車に改良を加え続けているのだが、最近奇妙な注文が 入ってきた…

■月 ○日  No402 困った無縁塚

無縁塚といえば、幻想郷にとってはとても危険な場所とされており 一般市民および妖怪の皆さんは立ち入り禁止となっている。 結界がゆるんでいる場所でもあり、結界の外の人間も迷い込みやすい。 その風景から初めてここを訪れた人はここを「桃源郷」などと呼…

■月 ○日  No401 香霖堂の雨漏り

香霖堂に商品を届けると、雨漏りがしているのを発見する。 たまたま来ていた別の妖怪が、修理できないのは香霖らしくないと 言っていたが雨漏りほど難しい修繕工事はないのだ。 物事の素人はどうしても物事を簡単に捕えてしまうきらいがある。 これは仕方の…

○月 △日  No400 現人神のご精算

自称現人神の予防接種関連の手配を済ませる。 本人が嫌がろうとお構いなし。 蛍妖怪に協力を要請し、ここに住む虫たちを全員集めて整列。 集まった虫という虫、そこに幻想郷の生態系を破壊するような外来種が いないことを再確認する。 世間一般的反応を示す…

○月 △日  No399 幻想郷の新学期

この時期になると、荷物の中に教材が増える。 実は幻想郷では秋が進級進学の季節なのだ。 かつて明治時代の学校は9月が進級進学の季節であった。 これはお手本になった米帝の学校に倣ったものである。 結界の外の世界では進学の季節といったら4月であるわ…

○月 △日  No398 花火で空はとべるのか?

気まぐれで我が儘なヴァンパイアの主人がたくさんの花火がほしいとの注文が 舞い込んだ。 花火と言えば、ノーレッジ女史による炎の魔法で十分事足りそうな ものなのだが、突っ込んだらメイド長にのど元を斬られそうなのでやめておいた。 季節外れの商品だけ…