■月 ○日  No418 ピコぽんハンマー


ここ数日冴月の様子がおかしい。 「あの馬鹿どもをどうするか」と
譫言を言うばかりである。
心配であるが本人に聞くのはあまりよろしくないと思って、朝倉に意見を求めてみた。


朝倉に言わせると、幻想郷に例の神社がやってきてから冴月の様子がおかしくなったらしい。
朝倉は霊能局に電話をして、移動した神社の詳細を聞いてくれた。
やはり神社とセットでやってきた八百万のカミに何かあるようである。


そこで社内にある妖怪名鑑の新しく幻想郷にやってきた妖怪たちのファイルを読んでみた。 
そこに先日自称現人神の傍らにいた人を見つけた。 彼女は八百万のカミだったようだ。
そしてそこには「危険 要隔離」とスタンプが押してあった。
危険度がデスマシン妹君レベルとなっていた。 急に足が震えた。


そこには人間をたぶらかして戦争を起こした経歴があるため、相手のカミと
隔離が必要とかかれていた。 博麗大結界生成時に隔離完了と書かれてもいる。
その問題児が幻想郷にやってきた。 これは大問題である。
そこにいきなり冴月が背後からぬっと現れた。気配を感じることができなかった
朝倉がぎょっとした表情をしている。 冴月は私に胃薬をくれと言う。
朝倉が「お前の懸念材料はこれか?」とファイルを見せたら、あっさりと同意した。


聞けば自分の知り合いがやってくることで幻想郷にあらぬ異変が起こるのではないかと
懸念していたらしい。だがボスの指示で手出しができないという。
胃薬を飲んでおちついた冴月は私の肩を叩いて「ま、がんばってね」と言うと、
そのまま早退届けを書きに行ってしまった。


ちょっとまて、頑張るのは私ですか?
私も胃薬を飲んで早退手続きをしようとしたら朝倉にピコぽんハンマーで殴られた。