□月 ●日  No807 壮絶バトル?


最近冴月がかなり忙しいらしい。
実は幻想郷よりも顕界のテロ制圧のために狩出されているからだそうで
各方面から引っ張りだこなのだそうだ。


冴月の戦い方は次世代の歩兵戦そのものと言っていい。
妖怪の能力を使った索敵はクロスコムのかたちで現代に実用化されている。
ドローンを使った索敵は元々隙間妖怪が式神を行使して行っていたものと同一のものだ。
まさに妖怪の能力を現代科学が模倣しているのである。


また攻撃の命中精度も極めて高い。
本来一般的に命中する距離にいかなければ、マガジン一個使っても人一人倒すことができないのだが
冴月の能力を用いれば射程距離一杯でも確実に命中できる。
だからこそ、彼女の能力はとても重宝がられるのだ。


しかしこの調子では業務に支障がでかねない。
灼熱妖怪に力を貸して以来、例の神社のおねえさんとは極端に関係が悪化しているので
幻想郷からすこし離れてもらっていたとはいえ、こうずっと外に出られたら必要なときに
いられなくなってしまう。
仕方なく冴月を再び幻想郷に配備することにしたがやっぱり機嫌が余り良くない。


朝倉に教えを請うたら、いっそおねえさんと冴月で喧嘩させたほうがいいという話になった。
ボスの承認を得て、番外編弾幕ごっこが始まることに。
おねえさんは面倒臭そうだったが、ケロちゃん帽のカミ様が後押ししてくれることになって
とりあえず対決することに。


どちらも実力は均衡しているだけに楽しい闘いになりそうなのだが
実際に始めるとこれがちっとも盛り上がらない。
お互いに戦闘力が高いとセーブし合ってろくな闘いにならないのである。
まさに妖精級の闘いで弾幕もあったものではない。


道理でいつまでも決着がつかないわけだ。
ケロちゃん帽のカミ様からも以前も色々な決着をつけようと試みたものの
いずれも上手くいかなかったらしい。
将棋をすればどちらかがズルをするのでちっとも勝負がつかない


仕方なく、例の神社にあるテレビゲーム機
図形を組み合わせて消すパズルゲームで対決させてみたら
ふたりとも神通力を使って全部同じかたちのブロックにしていた。
とても頭が痛くなった。


もういろいろ諦めた。
この二人どう見てもいがみ合っているというより馴合っているようにしか
見えない。 自称現人神と相談してとりあえず冴月は本来の配備場所に行ってもらうことにした。
ここ最近は避けていた場所だ。 これからどうなるかはまだわからない。