2008-04-01から1ヶ月間の記事一覧

□月 □日  No636 幻想郷の田園風景 代かき作業

花見の季節も終わりいよいよゴールデンウイークがやってきた。 もちろん休みはない。 取引先は休みなのが何とも切ない。 最近の新入社員はゴールデンウイークがなくても、小売店だから当然でしょうと意に介さない。 文句ばかり言っている光景ばかりに出くわ…

□月 □日  No635 ロケットあれこれ

ロケット運航スタッフのところへちょっかいもとい慰労に向かう。 中は沢山の天狗たちと岡崎がまるで徹夜続きのデスマーチ現場のような状態で突っ伏している。 天狗達の半分は今もモニタリングに勤しんでいる。 今日の仕事は、彼らに滋養強壮のドリンク剤を届…

□月 □日  No634 野暮な質問

幻想郷では家長制度が残っており、家督を継がせるという考え方がある。 幻想郷では謂われが意識されている世界だけに、妖怪退治の専門家としての家督などが重要視されている。 顕界では消滅したお家というシステム、これが恋愛と結婚を分離させるひとつの要…

□月 □日  No633 幻想郷の医療 そして

薬屋が経営している病院が毎度の事ながら経営危機に直面しているらしい。 うちへの売掛金支払いも滞りがちなのでここで経営の立て直しを試みることにした。 カルテと出納帳を取り上げて精査すると、診療費用を無料にして薬でその費用を取り返す ビジネスモデ…

□月 □日  No632 Intermisson5

「あなたは現人神、自分の立場を弁えたほうがよい」 目の前に現れた女性は、自分の衣服同様に場の空気とは釣り合わない美しい和服に身を包んでいた。 ついさっきまで私の周りには沢山の男達がたむろしていた。 よくあることだった。自分が起こす奇跡を利用し…

□月 □日  No632 幻想郷の結婚事情

幻想郷で配達していたら、結婚式があるということで嫁入り道具運びを色々手伝う。 この日結婚した夫婦は旦那が25くらいで妻が16くらい。 幻想郷ではこれくらいが結婚適齢期とされる。 19歳を超えると売れ残りのレッテルを貼られ、20歳を過ぎれば「年…

□月 □日  No631 救うのは信じることから

幻想郷に物品を送り届けるのは私だけではない。 いろいろな人が働いているわけなのだが、当然のごとく脱落者も出てくる。 多いのが鬱になってしまう人だ。 幻想郷といえど世の中と同様の不条理は必ずある。 それを救おうと考えてしまうと最終的には自分が潰…

□月 □日  No630 魔力の源

うちの会社に保護されているエーリッヒ博士にお会いする。 幻想郷に物資を運ぶ列車を開発した人物の一人。里香女史が乗る戦車の基本設計を組み上げたそうだ。 怪しすぎる姿のため危険人物と思っていたが、なかなか話せる人で一安心する。 私が幻想郷へ出張し…

□月 □日  No629 幻想郷脱出後のフォローフロー

非常事態が解除されたので会社に戻る。 結局、霊能局の茶々で襲撃が回避されたらしい。 小兎姫のことなのでおそらく力尽くで回避したのだろう。 ボスの指示で菓子折を持って霊能局にお邪魔する。 霊能局もうちの会社とあまり雰囲気が変わっていない。 少女妖…

□月 □日  No628 幻想郷でお買い物

幻想郷で新鮮な野菜を買うため八百屋と交渉。幻想郷では基本的に値札がないため きちんと相場を把握していないと会社で支給されているお金では足りなくなってしまう。 最近は、国営ラジオ放送でやっている野菜相場の番組を可能な限り毎日聞くようにしている…

 □月 □日  No627 天気が変わりやすい季節です

強風が続く一日。 バイク通勤の岡崎が風に煽られながら大騒ぎする日でもある。 幻想郷でも大気の状態が不安定なことは変わりなく、強風や俄雨で忙しい天気が続いている。 この時期吹き飛ばされる妖怪たちが多数現れる。 台風など明らかな強風なら妖怪たちも…

□月 □日  No626 幻想郷における生活習慣病

薬屋のところに納品に行っていたら目が見えなくなったと訴える人が家族につれられてやってきた。 調べてみると眼底で出血が起こって、視神経を圧迫しているとのこと。 直ちに処置が行われたが 失われた視力はまず元に戻らないという。 薬屋に病名を尋ねたと…

□月 □日  No625 鬼の居ぬ間に

会社と連絡。小兎姫が助け船を出してヴィヴィットの開発者を無事保護したらしい。 聞いたらヴィヴィットを勝手に量産したことに腹を立てて亡命してきたらしい。 戦闘用と言うよりメイドロボを指向したルーコトと違いヴィヴィットは純粋に戦闘用だったから こ…

□月 □日  No624 そしてチーフの愚痴

今日は散々だった。トイレに向かっていたら 朝倉が人を勝手にメイド姿にした挙げ句、理由無く殴りかかってきた。 後で冴月に訊いたら女の子にされていたらしい。 何を想像したのか見当つく。 どうせ薄汚れた発想でもしているのだろうが、私は実験動物ではな…

□月 □日  No623 朝倉理香子の手記

朝から土砂降りの雨。 部屋の中に干している下着類が乾かず部屋の中がまるで樹幹になってます。 買ったばかりの畳ベットにカビが生えてました。洗濯物ばかりで湿気ていたからなあ。 近所のホームセンターで無水エタノールを買ってきてしゅっしゅしましたよ。…

□月 □日  No622 これはひどい異変

博麗の巫女が月に向かって早数日。朝倉の話によると高天原を突破しない バイパスを通って月に向かっているらしい。 こんな時に異変が起こったら大変なことになると思っていた矢先に、 怪我をした白狼天狗に出くわした。 妖怪の山に侵入者が来たのか。 事情を…

□月 □日  No622 衣食足りて礼節は知り得るのか?

人は人、我は我という言葉がある。 結界の外。価値びん乱の社会と呼ばれて久しいが、幻想郷にいると本当の意味での 価値観は多様化しているというよりはむしろ溶けてしまって自己主義の塊になっているので はないかと思うことがある。 上白沢の塾に教材を納…

□月 □日  No621 金縛りの真実

閻魔様から先日の事件の事後報告がやってきた。 そこには「結局男は外見だった」といつまでも愚痴っていたと書かれていた。 幽霊が生きている人に干渉するとき起こす金縛り 意外と気軽にできる上己の存在をアピールしやすいので大人気の嫌がらせである。 目…

□月 □日  No620  文明の痕跡 生きた証

古代、現代の人間達より遙か昔に文明を築いて大地に君臨したという月人たち。 彼らの痕跡は思いの外少なく、本当に地上に文明があったのかすら疑わしく思うときもある。 彼らの痕跡を覆い隠しているのは地殻変動と自然の力だ。 自然の力のすごさは隕石が作り…

□月 □日  No114 甘粕の回顧録5

会社内に明らかに部外者と思われる少女を追い出そうとしたところ 幻想郷の閻魔様と聞いて驚愕する。 閻魔様とは大きな胴体と厳つい顔立ちをした偉大な鬼だと思っていただけに そのあまりの違いに言葉を失ってしまった。 そこから続く機関銃のようなお説教と…

□月 □日  No619 Vivitとヴィヴィット

幻想郷でもたついて会社に戻ったら、案の定皆帰った後だった。 警備会社に電話しようと電話帳を探していたら、ヴィヴィットの姿を見つけた。 彼女にはコネクターがついていて外部と連絡を取り合っているようだった。 まさか企業スパイか? 緊張が走るも強制…

□月 □日  No618 免許をとろう

魂魄がとうとう自動車教習所に通い始めた。ボスからの業務命令が下ったからだ。 いくら妖怪でも、幻想郷の外では空を飛んではまずい。移動はやはり社用車となる。 自分が思い描くだけで自由に移動できるのと違って、自動車の運転はまだるっこしくて仕方ない…

□月 □日  No617 幻想郷でも暴動

幻想郷だからといって常に誰もが幸せであるとは大間違いだ。 特に問題となるのはちょっとした暴動である。 幻想郷では時たまあちらこちらで暴動が起こることが知られている。 幻想郷では明確な為政者が存在しない。いわゆるムラ単位のコミュニティで成り立っ…

□月 □日  No113 甘粕の回顧録4

会社の施設内で事故。 地下で起こったため、ちょっとした地震が観測されただけで 大きな影響は起こらなかったものの、研究員の娘が行方不明になった。 それは、サボテンエネルギーという名前で呼ばれていたいたが その実体は月の魔力であるらしい。 原子力よ…

□月 □日  No616 新入社員歓迎会という名の毒女独演会

新入社員の歓迎会。朝倉と浅間のせいでとうとう大半の酒屋が出入り禁止になったため 寒空の下、ビアガーデンを借りて行うことに。 あの呑兵衛どもを収監するはずの黄昏酒場群の半分くらいがうちの会社を名乗った瞬間 シャッターを閉めてきた。 くそったれ。 …

□月 □日  No112 甘粕の回顧録3

幻想郷の中でも特に大きな取引先のひとつに霧雨店がある。 今日、ここに一人の青年が入ってきた。 丁稚奉公に出させるには年齢的に遅すぎるが彼の頭髪や目を見てすぐに分かった。 彼は妖怪との混血で間違いないだろう。 おそらく実家に疎まれて住み込みの仕…

□月 □日  No616 仕入れ作業

基本的にうちの会社は幻想郷に物資を供給する会社であるのだが、逆に幻想郷から買い入れているものもある。 この日は紅魔館より工業用ダイヤモンドを購入、その代金を支払った。 幻想郷の加工技術を支えるのが工業用ダイヤモンドである。 魔法によって高温高…

□月 □日  No615 清掃業者チャーター

人が浅間相手にすったもんだやってたら、もうロケットが飛んでしまったらしい。畜生。 一方ロケットを追いかけるようにルーコトを大量に乗せた列車が光学迷彩独特の光芒を 放ちながら飛びだっていったらしい。 てっきり、ロケットの支援のためと思いきや、ロ…

□月 □日  No614 偉大な神様(他意はない)

浅間が妖怪の山のてっぺんでお酒を飲みたいと言うので全力で止めに入る。 幻想郷の山のてっぺんは強力な霊力が秘められており、下手に近づくことは自殺行為に等しい。 山頂には非常に危険な特性を持つカミがおり、彼らに関わると一生を棒に振るくらいの ペナ…

□月 □日  No613 甘茶と因果応報

阿礼乙女のところへ甘茶を納入。そろそろ花祭りが近いので先行して納めた。 花祭りというのはお釈迦様の誕生日に甘茶を飲んで無病息災を願うものである。 幻想郷では現代でもカミが息づいているが、仏教とカミが同時に祀られた期間が長かったためか 仏教の祭…