2007-06-01から1ヶ月間の記事一覧

◇月 □日  No147 河童と岡崎

河童は我々と直接取引をする数少ない存在である。 総じて手先が器用で、精密機械のように動く手は下手な産業用ロボットを軽く凌駕する実力を持つ。 だがもっと重要なことは、技術を理解するだけの知性とその基盤となる基礎技術があることだろう。 彼らは我々…

◇月 ●日  No146 ×ファイル

月の民というのはプライドばかり高いようだ。 そのせいで永遠亭の連中は酷い目にあったわけだ。 実は地上と月が本格的に交戦したことは一度もない。 もし交戦していたらどちらも無事ではすまないだろう。 都市は荒廃するし、幻想郷も多大な影響を受けるはず…

◇月 ○日  No145 富士の樹海に風情がない問題

富士の樹海は自殺者による負の想念に支配されているものの、そこに幻想郷行きの出入口はない。 以前は出入り口があったらしいのだが、最近はずいぶんと人の手が入ったので閉めてしまったらしい。 従って妖怪に捕食されること覚悟で幻想郷に行きたい人は博麗…

◇月 ◇日  No 144 ドンキホーテ

魂魄が紅魔館にスピーカーを向けて叫んでいる 「胸がないと思い込んでいる淑女数人に告ぐ。 ないと思っているのは比較対象の胸がでかいからだ。」 眉間にナイフが刺さった魂魄の姿を見て、「君子危うきに近寄らず」を私は実行に移した。

◇月 ○日 No143 保険ゴロ

薬屋からいきなりお金を請求された。 聞くと博麗の巫女と黒い魔法使いが病気になったので 薬をやったから保険料をくれという。 確かに二人の経済的後見人はわが社にあるので主張は正当だが、仕入れとの相殺でと言ったら断られた。 永遠亭も結構お台所事情が…

☆月 ◇日  No 142 精神の死から身を守るための回答例

長命問題はなにも妖怪だけのものではない。 もっと厄介なのは魔法使いが長命により思考の行き詰まりが起こって人格が破綻するケースである。 何しろ元が人間であるので、こうなった場合は妖怪よりも性質の悪い存在となりえる。 ノーレッジ氏は日ごろから変化…

◎月 ★日  No 141 老紳士の遺言

中有の道で気をつけないといけないのは 知り合いに会うリスクがあることである。 幻想郷の存在は秘密であるが、中有の道は引き返すことも不可能ではないので、 うっかり口を滑らせたら何が起こるかわからない。 その道で会った人物は長身の好々爺であった。 …

◎月 ☆日  No 140 防衛を履き違えない

人間を守るというのは力で守ることを言うのではない。それは本人の思い上がりである。 永夜事件でその功績を認められた上白沢だが、ボスからはお灸を据えられていたらしいことがわかった。 新しい結界を作るための打ち合わせに先に到着してしまって暇を持て…

◎月 ■日  No 139 恐れるべきは精神の死

幻想郷とは常に死と隣り合わせである。 これは危険度を指すのではなく身近に死に関係することが転がっているという意味である。 死を理解すること。 それは人格形成に大きな意味を持つ。 死が自分にも降りかかり不可避なものとわかった時、人間は死に対する…

◎月 □日  No 138 中有の道で仕事

中有の道 人が死んだあとに最初に通る道である。 と言っても、厳かな雰囲気も暗い雰囲気も殆どない。 あるのは屋台と人々の喧騒である。 うちの会社もここでいい商売をさせてもらっている。 ここで商売する人たちは我々の会社から仕入れを行っているからだ。…

○月 □日  No131 朝倉理香子の手記

雨がしとしと降っていやになります。 里香さんと顔を合わせる。 もう新入社員を食ったかと聞かれて、まだと答えたら 私も狙うと宣言してきた。プンチュカ 試作の戦車丸ごと地獄に叩き付けたい気分だけど、地獄に行ってもここは幻想郷。 あっさり帰還されて終…

□月 ○日  No 137 博麗大結界は日々進化する 

幻想郷の結界の大改装に伴い、外の世界から結界形成のための装備一式が次から次へと届いている。 通常は列車を使う我々の業務も、巨大な装置が絡んでくると船を使うことになる。 巨大タンカーに偽装されたものであるが、突貫工事によりついに完成を見た。 中…

■月 ●日 No 136 どういう意味だろう

社員研修 12〜14歳くらいの幻想郷在住の女の子が、突然家出した。 保護を試みても彼女の性格上すぐに逃げられてしまう。 この状況下で幻想郷で一人で生活するために必要な行動アレイを述べよ。 ってのが宿題に出されたわけだが、マジで解けない。 文面に…

■月 ●日 No 135 朝倉理香子は有名人である

藤原妹紅は炎のスペルカードを使用する。 このスペルカードは業火という言霊が表すとおりきわめてリスキーな代物である。 自爆の可能性が常に付きまとうのだ。 不死身の彼女だからこそ取り扱うことができるカードともいえる。 彼女のスペルカード射検は朝倉…

☆月 ●日 No 134 仙人に関する問題発言

幻想郷には仙人と呼ばれる人がいる。 概ね仙人とは世間とは隔絶されたところに棲んでいて 自己の考察に時間を費やしたりしているが、私に言わせれば、無職を体よく言っただけの存在である。 ただし、昔の仙人には知識人も含まれていた。 知識人はたまに村の…

☆月 ■日 No 133 阿礼乙女に関すること

すべての事象は、観察者によって大きく変わる。 阿礼乙女のレポートもまた例外ではない。 困ったことに幻想郷の情報や種族に関する情報は正確ではあるものの人物に関しては非常に偏った見方をしている。 我々は幸い彼女のレポートに掲載されることはない。 …

☆月 ●日 おまけ No 132 傀儡

玄爺は傀儡(くぐつ)使いでもある。 彼が活動する上で効率が良いようにと作られた人間そっくりの人形である。 そんな傀儡は、もうすでに外の世界にも幻想郷にもかなりの数が配備されていたことが最近わかった。 ところで、今日輸送している傀儡なのだが、明…

■月 ■日 No 130 友人として忠告したが

私は友人として香霖に警告しないといけない。 「ザナドゥ」とは「幻想郷」という意味で人の名前ではないことを。 ヤマザナドゥなら、幻想郷管轄のヤマ(閻魔)である。 彼女には確か映姫という名前があった筈だ。 ボスが姫ちゃん姫ちゃんと言うから社内では…

●月 ●日 No 129 逃げた先に理想はない

幻想郷というところは天国ではない。 人間は容易に捕食されるし、安全性でいえば外の世界のほうが いくばくかはマシである。 それでも覚悟が出来ている人は行くことを止めはしない。 外から来た人間の運命は非常に過酷である。 幻想郷に住んでいる人間は捕食…

▼月 ■日 No 128 去るものは追わず

紅魔館に派遣されて一時は人事不省の重態になったあと退院した同僚が自主退社した。 もう今の会社でうまくやれる自信がないという。 会社を辞めた後あてがあるのかと聞いたら、 とりあえずしばらく静養するとのことだ。 有給休暇を消化する間に新しい勤め先…

○月 ○日 No 127 妖怪に予防接種

霊能局 政府お抱えの組織で風水やら魔法やらで国に対する災いを回避したり、 重要人物の寿命を引き伸ばしたりする人たちのこと。 彼らとは正確には敵対しているのではなく、緩やかな同盟状態にある。 そのメンバーの一人"小兎姫" まず間違いなく偽名だろうが…

▼月 ▼日 No 126 ごめんね

件の閻魔様専用必殺シュート装置が完成したと言うのでお披露目。 サッカースタジアムが二つに分離して下から巨大な建造物が隆起する仕組みとなっている 安全装置まで気を配った岡崎の傑作である。 姫ちゃんこと閻魔様がわけのわからんきめポーズをしているあ…

▼月 ●日 No 125 妖怪と経済

外の世界の妖怪は悲惨な者ばかりではない。 妖怪たちが優遇されている世界もまた存在する。 それは起業である。 銀行は妖怪たちには割りと優先的に融資してくれるのだ。 妖怪たちは義理堅く焦げ付く心配は少ないことや、彼らは長寿で所得を維持できる期間も…

■月 ■日 No 122 ひろいもの

紅魔館近辺の話 ボス それなりにでかい 冴月 ない 朝倉 あるけどたれてる ちゆり なにげにある 岡崎 そこそこ ようむ ない めい 血痕で読めない そこで日記は途切れている・・・。 と言う内容の日記を発見した。 誰の日記なのかは大体見当が付く。

▲月 ●日 No 124 ガストロームは胃酸を抑える薬

持病の十二指腸潰瘍の検査のため、病院で胃カメラカプセルを飲むことになった。 これから24時間の間、腰にベルトをつけて生活する。 どういうときに胃が荒れるのかを検証するためそのまま出社。 物品持ち込み申請書を書いて仕事を始めた。 香霖堂へ到着、…

●月 ●日 No 123 魂魄の帰還

久々に魂魄と仕事することになった。 私は彼をエロ爺と言っているが彼の現在の外見年齢は30代半ばである。 肉体年齢の制御に成功したというが、極端に若くしないのは外見年齢が持つ 年の功も利用したいという考えのためらしい。 妖怪桜の封印を解こうとし…

■月 ○日 No 121 冴月の帰還2 同僚が人事不省

私が紅魔館に出入禁止になっていた間、担当していた同僚が人事不省になっていたので お見舞いに行く。 彼は意識を取り戻したが未だに後遺症が残るほどの重態であったらしい。 私が五体満足で連中とわたりあっているのは不思議だと言われたが、 私に言わせれ…

○月 ▽日 No 120 冴月の帰還

紅魔館で普段では有り得ないような歓迎を受ける。 驚くべきことに晩餐会なるものに招かれた。 すると、館の主であるヴァンパイアが冴月のことについて執拗に聞いてきた。 実際、冴月のことはよくわかっていないのでその通り話したら開放してもらえた。 帰社…

■月 ○日 No 109 岡崎の余興その2

岡崎がサッカー用に開発している火星将軍ロボ二号(勝手に命名)の予算申請がきていた。 朝倉も魂魄もボスも私もニヤニヤ笑っている。 設計図を見ても基本的な変更部分がない。 恐らくこのままいくだろう。 ボスが許可の判子を力強く押した。 結果が楽しみで…

★月 ○日 No 108 妖怪の戦争利用

冴月や魂魄たちの戦闘能力を見て、妖怪は戦争に応用できるのかと真剣に考えていたら、朝倉に一笑に付されてしまった。 単純な理由である。 ひとつは戦闘能力の高い妖怪は知能が高く、大体の場合人間社会も俯瞰視点で見ていること。 特定の人物または組織に肩…