▲月 ●日 No 124 ガストロームは胃酸を抑える薬

持病の十二指腸潰瘍の検査のため、病院で胃カメラカプセルを飲むことになった。
これから24時間の間、腰にベルトをつけて生活する。
どういうときに胃が荒れるのかを検証するためそのまま出社。 物品持ち込み申請書を書いて仕事を始めた。
香霖堂へ到着、商品の検品を始めると香霖がお前の体に式神がいると叫んで焦った。
薄暗い店舗だったため、カメラが撮影用に発する光が私の体から透けて見えていたのである。
この事態には私もちょっと驚いた。


仕方がないのでこれは私の体を検査するための式神だと説明した。 本来は我々は外の世界のことを
妖怪に紹介することはしない。 低知能の妖怪が勘違いをして、いつ外の世界に野心を抱くかわからないからだ。
香霖にいわせれば、体で蠢く式神がいるということが不思議で仕方ないという。
私は我々の体も無数の式神によって生かされているんだから不思議はあるまいと答えた。
たとえば我々の細胞を支えるミトコンドリア式神の一種だと言わればそうなのではないかとさえ思う。


香霖は私の答えに納得した表情で、カミとは無数にいるものなのだ。と答えた。
医者にベルトを返却すると、やはり香霖堂でのやりとりで胃酸過多が起こっていたようだ。
仕事のストレスということで片付けてちょっとしたカウンセリングを受けた。 個人的にはそっちのほうが
疲れることである。