■月 ●日  No6300

 霊能局に所属するやべえやつその2 小兎姫
 関係者からメスゴリラ扱いされるが、普通にしていたら美人のまともな人だと思う。
 メスゴリラと呼ばれるのは人間離れした身体能力のためとされるが、言っちまえば本当にこいつ
 人間かってやつであり、彼女とかかわるとちょっとした催眠状態に陥るとかって話もある。
 まあたぶんうわさであり、厨二チックな謂れがあるのは間違いない。

 というか彼女、スペルカードも利用できるが、基本武装は普通にアサルトライフルの類。
 和装っぽい服装着てるけど、いったいどれだけ武装盛ってるかわかったもんじゃない。
 
 とはいえ、彼女は個性的すぎる妖怪連中からすれば常識人枠であり、うちの会社にいる
 逸般人どもと比較すればまともの一言だ。というか霊能局にいてヤバすぎてドロップアウト
 したような輩がうちの会社にいるんではないかと思ってる。
 まあ朝倉みたいに予算大量要求型で、お金の関係で八雲商事にいるってのは別の話。

 なお、私服警官ってことで、太い眉毛の警察官のような異常な検挙率を誇ってるとかなんとか。
 なぜかその辺のスジモンたちが直立不動で礼をするとか色々噂はある。

 
 

 

 

           

■月 ●日  No6299

 幻想郷は地味に地下資源が豊富です。豊富ってことにしてください。
 多いんです。多いんですがね、そのどれもが品質低すぎなんです。
 この前も幻想郷に原油が出た時はそれは大騒ぎになって、顕界からも侵入者がやってくるなんてことも
 あったのですが、速攻引き上げられました。

 ほっと胸をなでおろしたのもつかの間、これって扱いづらいやつなんじゃって話になって
 成分を調べると硫黄分多めでかなり使いづらいというか顕界の精製プラントを使うのが
 難しいって話になりました。魔術で硫黄分を取り除けば何とかって感じですが、そっちよりも
 水質汚染回りの方が大問題であり、そっちの方にコストがかかったため結局顕界のオイルシールドを
 輸入する羽目となり、大赤字もいいところです。
 もうね。

 このように幻想郷にはいろいろな地下鉱物資源があるんですが、忘れられたものが流れてくるのが
 幻想郷です。つまり忘れられるに足る理由があります。そのほとんどが低品質。
 自給できれば苦労なんてないんですよ。いやマジで。
 採掘すれば確実に鉱毒などで土壌汚染間違いなし、耕地面積少ないのに悪夢ですよ。
 
 そんなわけでコスト面で折り合いつかないんで、幻想郷で採掘なんて無理なんですよ。
 某大陸国家にも言ってください。何なら引き取ってくれと。

 
 

 

 

 

           

■月 ●日  No6298

 霊能局の連中で何人かヤバいやつを紹介すると、個人的に最初に挙げるとしたら「まな板」でしょう。
 本人自身まな板と平気で宣っているのでそんなキャラなんですが、こいつを接触した人は
 こいつがまさか妖怪だとは思わないでしょう。彼女はいわゆるオペ子みたいな運用をするのですが
 彼女の能力はとても便利でしばしば助けられています。
 
 彼女は妖怪ぬりかべであり、壁のエキスパートです。壁という壁を操る能力をもっていますが
 彼女の持つ壁は足場として運用したり、バリケードとして運用したり、はてまたコンピューターの世界で
 ファイアーウォールの機能まで持つという万能ぶりです。そりゃ国で働きますわ。
 一人ではできることに限界はありますが、彼女の支援を受けた時確かに心強いと思いましたよ。
 
 ただ、彼女は壁を操るというより生成するのが基本で取り除くことは難しい模様。
 取り除くことはかなり危険な行為であるだけでなく、解体が面倒だったり産業廃棄物が出るという
 ご無体な理由なので私としてはあんまり信用できないのが実情だったりする。
 
 まあ実際のところ彼女はとても話せる人であり、典型的パーティピープル
 彼女と会うと妖怪ってなんだっけって思うでしょうけどこれが現代の妖怪だと思ってください。
 と、ハート形サングラスつけてるトンデモ妖怪でした。
 

 

 

           

■月 ●日  No6297

 うちの会社にも監督省庁ってのがあって妖怪のいる会社だからといって好き放題なんてできるわけがありません。
 定期報告もありますからまあ普通の会社です。問題は監督省庁。
 基本的に監督省庁も人外ばっかりです。基本、官僚とかは人間じゃない奴が相当混じってます。混じっているというか
 そうじゃなきゃすぐに体力切れで倒れます。

 閑話休題
 
 特にやばいのが霊能局とかいう組織です。なにがやばいかというと、バケモノ退治、ごみ処理班とか
 色々言われまくってます。大英帝国とかにも似たような組織があると聞き及んでいますが、
 大体似たようなもんだと思います。
 とにかく奴らは血の気が多いことが多く、攻性の組織というしかないです。
 
 おまけに奴らの一部は警察組織の機能も持ち合わせているので逮捕特権まで持ってます。
 いや割と普通か。とにかく彼らに言わせれば犯罪率は妖怪も人間も近年はあまりかわらないそうな。
 基本的にこいつらには逆らってはいけないというのは割と最初のうちに学びます。

 まあ、実際は割となれ合ってる部分もあります。部分もあるってだけでいざとなったら
 普通に敵対するそんなところです。だって親方日の丸なんですもん。

 

 

           

■月 ●日  No6296

 うちの会社が一般の会社と違う点があるとしたらそれは妖怪が普通に働けることだと思います。
 ただしどこの会社にも普通に妖怪は在籍しています。しかしながら人間の管理方法をとるしかないので
 一定年齢になれば定年になり、再雇用しても給与が減ってしまう運用です。このため妖怪のように
 本来長期雇用できても長期雇用できないなんてありえます。

 また、妖怪の雇用は年功序列とすこぶる相性が悪いです。年功序列なんてやったら妖怪たちの
 給与が青天井に上昇してしまいます。なので、まだ働ける妖怪たちの給与を調整しないとなりません。
 こうなってくると、成果主義的給与体系になるのですが、成果主義も評価基準をきちんとしないと
 成果を奪う社員がいるので、厄介だと思います。

 うちの会社の場合妖怪たちは成果主義的なルールが適用されます。その代わり妖怪たちは
 自分たちのパフォーマンスを高めるためにカミングアウトOKとなります。
 朝倉なんかそうですね。研究職として成果主義的な仕事の仕方をしています。
 岡崎先生もそうですね。最近は大学との二足の草鞋になっているようです。結局のところ妖怪との
 接触で成果がでなくてもそれによって得られた知見は普通に科学分野で利用できたって話です。
 
 まあ、たまに副業の方が金儲かってそうなヤバいやつがいますけどね。

 

 

 

 

 

           

■月 ●日  No6295

 八雲商事って一応普通の民間企業の体のため、会社を辞めて別のキャリアに行く人はそれなりに
 いるのですがどうしても妖怪変化の存在を意識するしかないためか、どうしても妖怪と無関係では
 いられないのが実情だ。

 たとえば黄昏酒場と呼ばれるところがそうで、所謂移民街ベースの飲食店の集まりと言った感じになる。
 こういうところは固定客もついているので不況にもパンデミックにも強かったりする。
 まあ人間じゃない奴が集まるんだから病気も関係ないわけでな。
 んで、こういうところにお役人とかがここなら安全って言って、呑み会とかやったりするとね、
 大体見つかって炎上するってのも毎度毎度の話だったりする。

 八雲商事をドロップアウトした人がほかのところに行くとしても、スカウトされるケースも多い。
 たとえば、公務員資格持っていたら霊能局あたりから声がかかる場合もある。
 もちろん実務経験必須なんだけど、結構そっちに行くケースは多いらしい。
 ちなみに妖怪にかかわらない一般企業に入ったとしても、妖怪変化の存在は意識しないとならないので
 結局、それ系の会社にからめとられる模様。
 
 まあ意外と出戻りも多かったりするのですよ。

 

 

 

 

           

■月 ●日  No6294

 うちの会社のシステムってやたらめったら仮想化されているんだが、こいつは朝倉のせいらしい。
 とにかく仮想化している。仮想化ってのは、システムの上に別システムを被せるようなもんで
 もしも別システムで障害が発生しても別システムを破棄することで致命的な破損を防ぐって
 代物だったりする。

 特にスペルカードで顕著なんだが、この仮想化は徹底されている。朝倉曰く、仮想化しないと
 トラブル発生したときに術者のみが危険にさらされるというわけだが、もちろんちょっと
 詳しい連中からは最初は不評だったらしい。
 仮想化しているってことはダイレクトで魔術を運用できないのだからロスってのがある。
 このロスが大きすぎると魔術を発言できないって主張だ。

 まあ実際はその魔術に必要な出力も仮想環境から引き出しているのだから効率も
 へったくれもないって思うんだけどね。
 朝倉に言わせればそれは単に魔術が使えるという特別感がなくなるってだけなんだとか。

 とはいえ、魔術の元になるエネルギー周りは幻想郷に行かなきゃ十分確保できないんだとかで
 それ自体がフェイルセーフになってるわけですな。顕界でスペカなんか観測されたら
 それはそれで大変だからな。マジで。