2008-07-01から1ヶ月間の記事一覧

□月 ●日  No721 はるか遠くからの手紙

友人と昼食を食べに行ったら価格がやたら上がっていて閉口する。 京都大学にいるレンコ嬢たちを発見してしまったために彼女の分のお金まで払う羽目になった。 友人に紹介してくれと言われたが、私とて彼女たちのことをよく知っているわけではない。 未だに自…

□月 ●日  No720 竜宮の使いが本当にいる場所

竜宮の使いこと永江衣玖。 幻想郷よりも顕界で評価が高い妖怪である。 彼女への納品は数ヶ月に一回、得体の知れないコンテナを一個渡すだけだ。 とりあえずモノを渡したら忠告を受ける隙を与えずに有り難うございましたと言って 立ち去るのが一番である。 永…

□月 ●日  No719

今日は趣向を変えて、皆に自分の生き様を紹介してもらうことにした。 たまにはこんな寄せ集めのような話も悪くない。 浅間伊佐美の場合 お酒は呑むものです。決して呑まれるものではありません。 呑むときはお酒以上に大らかな気持ちで呑むのです。 お酒は妖…

□月 ●日  No718 呪いのグッズの投棄場所

ヴァンパイアの主人のところへ納品したらなぜか小兎姫がいた。 いつになく気まずそうに苦笑いをしている。 正直言ってこういう小兎姫に関わると碌なことがないのだが 聞いても居ないのに勝手にメイド長が説明し始めてしまった。 霊能局の仕事の中に、自我に…

□月 ●日  No717 幻想郷水着事情

香霖より救援要請がきたので急いで駆けつける。 いたのは自称現人神たち。香霖堂に水着が売ってないというので かなりご機嫌斜めな様子だ。 実際香霖堂には褌しか売ってない。 この様子に自称現人神は馬鹿にしているのかと言いたいらしい。 夏、じめじめした…

□月 ●日  No716 わらってしきえーき

詐欺師兎のせいでさんざ荒らされた中有の道が色々と復旧。 中有の道にある夜店を買収しておきながら結局潰してしまったため 地獄から救援依頼が来た次第。 地獄や魔界はあまり財政状況が芳しくないため 今回の事態はかなり頭の痛い問題だった。 ここに、そこ…

□月 ●日  No715 妖怪色彩工学

今日もあちこちで弾幕ごっこが繰り広げられている。 夏になるとあちらこちらで祭りが開催される。そしてお酒が入り美味しいものを たらふく食べて元気が余った妖怪たちが喧嘩を始めてしまう次第。 遠くから見れば目で楽しむことが出来る弾幕であるが、ふと浅…

□月 ●日  No714 綿月依姫 間違った方向へ信仰を集める

土曜丑の日、急造されたとある神社にウナギを運びに行く。 そこで祀られているカミ、それはうちのお客様であるワタツキ姉妹の妹 依姫である。 最近の綿月依姫。カリスマの階段を昇りまくりらしい。 ヴァンパイアの主人のカリスマとはちょっと違う。 こうなっ…

□月 ●日  No713 デストロイ オール ヒューマンズ

何故か列車に強面のジュラルミンケースを持った妙齢の男が乗車している。 幻想郷へ行く列車に部外者を乗せるのは異例中の異例だ。 軍隊関係者を示すベレー帽を被り、サングラスをかけている。 今まで色々な荷物を運んできたが軍関係者を送るのは初めてだ。 …

□月 ●日  No712 風見女史の抗議

阿礼乙女のところへ商品納品。納涼関係のオンパレード。 一番人気はやっぱり葦簀だろう。 葦簀を用いることで冷房効率を約5割上げることができると言われる。 電力インフラが不十分な幻想郷にとって、こうした納涼グッズは発電所稼働を押さえる意味でも か…

□月 ●日  No711 海は幻想郷に無縁なのか

海の日らしい。この日になるとはしゃぐ一般大衆とともに海難事故も増加する。 が、幻想郷には海がない。 よって海産物の類やナトリウムは全て隙間妖怪の力か 当社によって賄われている。 私はどうしてもその事実に納得いかない。 ノーレッジ女史に聞いても満…

□月 ●日  No710 一線を超えたと思った

朝倉が仕事の時間になにやら絵を描いている。 一体何を書いたのかと覗いてみるとそこには殺人的に下手な絵が描かれていた。 人間らしい絵なのだが、腕は細すぎ、デッサンってレベルではない酷い代物である。 まるでナスカの地上絵のような妖精の絵である。 …

□月 ●日  No709 幻想郷の避暑地

幻想郷最大の避暑地に納品。 そこは常時気温が20度前後に保たれており とても快適な空間である。色々なことに目をつぶればだが。 普通の人からすれば身も心も涼しくなれることだろう。 ここは紅魔館の地下迷宮。 デスマシン妹君が生息する危険地帯である。…

□月 ●日  No708 幻想郷のやせ薬

夏は水着の季節。うちの社員も思い思いの水着を買いこんでご機嫌なのだが いきなり浅間が真顔で聞いてきた。 幻想郷にやせ薬がないのかというのである。 顕界ではやせ薬は幻想入りした薬だから、理屈で考えれば幻想郷にやせ薬があっても おかしくはない。と…

□月 ●日  No707 スタミナのつくものを食べてみようか

この時期になると夏ばてが怖い。 あまりの暑さに食欲もなくなるし、食べ物が冷やすもの中心になるので 胃腸が弱りやすいのもある。 こうした場合はカロリーの高い肉類を食べるのが一番である。 大枚をはたいて幻想郷の焼肉店に足を運んでみる。 値段は知らな…

□月 ●日  No706 小兎姫の手記(一部愚痴)

朝、まだ暗い内に起床。 少々寝不足気味。 移動しながらコンビニのサンドイッチで朝食。私の主義に反するが仕方ない。 今日はエーリッヒ博士を米帝に帰す日。 早朝の関西国際空港。 私は部下と一緒にエーリッヒ博士を護衛する任務につくことになった。 博士…

□月 ●日  No705 アカシックレコード

鴉天狗がいつものように新聞を撒いている。 一般にタブロイドの権化と言われている鴉天狗の新聞だが 幻想郷で生活していく上での各種お知らせも記載されているので全く無視というわけには いかないのが始末が悪い。 天狗達の新聞は決して無料ではない。 実際…

□月 ●日  No704 メタルは☆を超える

突然のスクランブル。 場所は月の都入り口。 それはワタツキ姉からの通報だった。妹が大変なことになったらしい。 ボスと朝倉に相談したところ魂魄を連れて行くことになった。 ワタツキ姉妹とは薬屋のかつての生徒だった連中である。 わりと話が通じることも…

□月 ●日  No703 パイナップルアーミー

けだるい休日の朝。 徹夜明けで眠い目をこすりながら会社の近くのコンビニに買い物に出かける。 そこにどこかで聞いたような声で「ご主人」という言葉を耳にしたのでふと顔を上げてみると ものすごい恰好をした女性が菓子パンを見繕っていた。 「ご主人」と…

□月 ●日  No702 今昔八雲商事

うちの会社の社員名鑑を読んでみる。博麗大結界が今の姿になるときにできた会社だが 成る程いろいろな人が在籍していたことがわかって興味深い。 中には見たこともない人の名前もある。 金伽羅とか神玉とか名前もどこか古くさい。 魂魄が昔を懐かしむような…

□月 ●日  No701 祭りの準備

夏祭りの準備のため資材搬入に追われる日々。 しめ縄とか竹とか やたら長いものの搬入に手間取る。 なにしろうちの会社の乗り物では乗らないのだ。 そこで妖怪たちの応援を借りて半ば人力で物品を運ぶ。 でかいトラックが欲しい。 かなり切実に。 例の神社に…

□月 ●日  No700 幻想郷ではたらくひとたちの世界

※加筆修正幻想郷ではたらくひとたちは東方Projectの二次創作である。 今回700回を迎えたことにあたり、幻想郷ではたらくひとたちを改めて紹介していこうと思う。 * 舞台は今より少し未来、首都が東京に遷都されなかった日本。 現代社会と余り変らない文…

□月 ●日  No699 幻想郷的設備屋稼業

八雲商事部材倉庫。この中に幻想郷生活に欠かせないもう一つの商品が置いてある。 その商品は、恐ろしく地味である程度大きなホームセンターにしか置いてない。 それは異型ソケットである。 幻想郷の規格は古い規格がそのまま息づいているために、外の世界か…

□月 ●日  No698 洗面台の真実

自称現人神がまた我が儘を言って困る。 どうしても朝、頭を洗いたいのでシャワー付きの洗面化粧台が欲しいというのだ。 もちろんそんな現役の商品が幻想入りしているわけがない。無理難題もいいところだ。 もっとも私はこの件に関して割と甘く見ていた。 ボ…

□月 ●日  No697 「萃める力」と天の川

七夕である。 うちの会社でもいつのもにように短冊に願い事を書き込むイベントが 執り行われる。 みんな好き勝手もとい思い思いの願い事を書き込んでいる。 七夕と言えば、織姫と彦星の伝説であるがこいつの真実は独身貴族には鬱になること ばかりなので割愛…

□月 ●日  No696 訪問者

会社に見たことのない巫女さんがやってきた。 霊能局の職員を名乗るこの巫女さん。名を桜崎と言うらしい。 小兎姫を嵌めた人を始末したので、彼女を引き渡して欲しいということだった。 私のセーフハウスにいる小兎姫と連絡。確かに桜崎は霊能局のメンバーら…

□月 ●日  No695 幻想郷エアコンプロジェクト

毎度の事ながら幻想郷の夏もかなり熱い。 うちのスタッフも熱中症にかかる一歩手前である。 しかし幻想郷の人たちと言ったら、気分が涼しくなることを重んじている。 やせ我慢の文化それが幻想郷である。 博麗の巫女が庭に打ち水をしている。 確かに少しは涼…

□月 ●日  No695 戦友と書いて「とも」と呼べ

兎たちが帰還するというのでお見送り。 今日は危なかった。浅間が月の建造物のことを葬式の仏壇みたいだと言って 周囲の月人とともに場が凍り付いた。 月人に死の話題はタブーである。 下手すれば外交問題になりかねない だが、幸運なことに目の前にいたのは…

□月 ●日  No118 甘粕の回顧録8

会社の指示で幻想入り直前のある洋館を調査する。 そこにはヴァンパイアが住んでいると呼ばれている。 400余年間生きてきた偉大なヴァンパイアの姉妹だ。 洋館は信じられないほど整備され豪華絢爛という比喩がまさに似合うものだった。 膨大な予算が投じ…

□月 ●日  No694 天人と極楽浄土

商売をしているといろいろな情報が耳に入ってくるようになる。 その中で最近ホットな話題となっているのが天人達だ。 なんでも天人の娘が家出をしたのだというのだが、元々暢気すぎる天人達は どうせすぐに帰ってくるのだろうと探しもせずに放置しているのだ…